「日本政府観光局(JNTO)」によると、2020年6月の訪日外客数は、2600 人(前年同月比99.9パーセント減)となり、9か月連続で前年同月を下回った。世界的に旅行需要が減っているが、今回はあえて北朝鮮の人気観光スポットを紹介したい。巣ごもりでフラストレーションが溜まっている人は北朝鮮旅行に想いを馳せてみてはいかがだろう。
今回は「グーグル」によって旅行者数や現地の情報を基にした「口コミの多いスポット」を厳選した。
巨大な火口湖がある活火山「白頭山(ペクトゥサン)」
標高2744メートルの活火山。中国と北朝鮮の国境に位置する山だ。朝鮮民族には聖なる山として崇められてきた歴史があり、「朝鮮民族の揺り籠」であると多くの人が信じているという。
「恵まれた天候のお陰で天池とともに中華人民共和国を眺めることができました」、「地球上でもっとも美しい場所のひとつ」、「頂上からの眺めは素晴らしいです」と高評価なコメントが多い。ツアーで行く際には夏季を中心とした7月から9月ごろがオススメだ。
平壌のランドマーク「凱旋門」
金日成主席の生誕70周年を記念して作られた凱旋門。北朝鮮に訪れたら一度は行きたい人気スポットだ。1万5千個あまりの刻まれた花崗岩で築造されており、高さは60メートルでパリの凱旋門よりも10メートルも高い。「間違いなく一見の価値があります」、「私が今までに訪れた最高の場所」とこちらも高評価なコメントが並んでいる。
ロシアの北朝鮮研究者フョードル・テルティツキーは、「実際に起こらなかった事態を記念して作られた建物としては世界最大級かもしれない」と語っている。
【小見出し】太陽の聖地と呼ばれる「錦繍山太陽宮殿(クムスサンたいようきゅうでん)」
錦繍山太陽宮殿は、平壌直轄市大城区域嵋岩洞にある霊廟。金日成主席、金正日総書記の遺体を永久保存、安置する施設になっている。ローカルガイドは、「非常に豪華な建物です。この国の光の面のすべてが詰め込まれた場所だと言えるのではないでしょうか。色々な意味で、この国を観光する上でもっとも行くべき場所です」とコメント。晴れた日に訪れてみたいものだ。
コロナ禍前の北朝鮮への観光客数は毎年10万人とされている。多い日では1日1800人もの観光客が訪問することもあり、受け入れ態勢に限界があることから、1日に受け入れる観光客数を1000人に制限しているという。
日本においては北朝鮮へ渡航を自粛するよう求めているが、旅行代理店を通じて、北朝鮮国営旅行会社によるツアーに参加すること自体は可能だ。「ヤングパイオニアツアーズ」(中国深セン)は語学研修などの学習的な北朝鮮旅行もある(日本人は参加できない)。しかし、新型コロナウイルスの影響により、北朝鮮の観光業はまだまだ休眠状態が続きそうだ。
井上 一希