150mm以上の望遠レンズは持ち込み禁止

150mm以上の望遠レンズは持ち込み禁止

自由に撮影しても削除を求められない平壌・紋繍プール

 北朝鮮観光は制限が多い不自由な旅行というイメージが先行している。そうすると、撮影した写真を後からチェックされて削除されたりもなんて思う人もいるのではないだろうか。

 実際はどうなのか、ここ1、2年に訪朝した人たちに聞いてみた。

 まずカメラ自体の持ち込み制限について。北朝鮮側から各代理店へ伝えられているのは150ミリメートル以上の望遠レンズ、カメラではないが双眼鏡(オペラグラスくらいはOK)、単体のラジオなどの持ち込みはNG。これは調べる限り20年以上前から変わっていない。

光学ズーム125倍のコンデジは持ち込める

 2013年からはスマートフォン、ノートパソコン、タブレット端末の持ち込みが解禁された。そのため、現在、北朝鮮滞在中は、スマホをカメラ代わりする人も少なくない。

 その一方で、一眼レフカメラと望遠レンズを持ち込まずとも高機能なコンパクトデジカメならそれ以上の望遠機能を備えたモデルが多数存在する。

 ちょっと調べてみると、「COOLPIX P1000」(ニコン)は、コンデジに分類されるが、最大光学ズーム125倍と驚異の機能を誇る。もっともレンズ側面に3000ミリメートルと白く印字されているので、それを見られると預かりになるかもしれないが。

 P1000は、見た目も重さもレンズ交換ができない一眼レフカメラのようなモデルだが、厳密には望遠レンズを使用したカメラではない。

 もっとコンパクトないわゆるカード型の「PowerShot SX740 HS」(キヤノン)でも最大光学ズーム40倍。このタイプを持ち込んで問題になったという話は聞かない。

 もちろん、一眼レフカメラを持ち込んで手ブレなしの本格的な美しい写真を撮っている人も多くいる。北朝鮮としても観光客に見せたい場所を少しでもきれいに撮影してほしいはずだ。

出国時の空港ではノーチェック

出国時の空港ではノーチェック

ガイド同伴の出国前はガイドの指示に従えば問題ない 出典 Topolinochamp [Public domain], via Wikimedia Commons

出国時の空港ではノーチェック

 さて、順序は逆になるが、話を聞く限りは、北朝鮮出国時に撮影写真のチェックを受けた人は確認できなかった。外国人が入出国する移動手段は、国際列車や旅客機、陸路(バス等)となる。

 まず、旅客機は、他国と同じように出国審査場(イミグレーション)を通過後に荷物チェックを受ける。機内へ持ち込む手荷物はスキャンする機械を通して爆発物や刃物、規定量以上の液体物が確認されると開封される。まあ、日本や韓国と同じだ。

 搭乗手続きと手荷物検査は、搭乗時刻の関係で時間に制限があるため、ここで1人ひとり撮影した写真のチェックなどしていたら、搭乗できなくなるのでほぼノーチェックとなっている。

(続く)

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