訪朝1週間前の国際列車運休で中国経由の国際バス→鉄道に

訪朝1週間前の国際列車運休で中国経由の国際バス→鉄道に

平壌発モスクワ行き寝台列車。日本人が乗車できるのは豆満江駅から

ウラジオストク着ロシアから北朝鮮への国際列車で陸路入国できないワケ(1/2)の続き。

 前出の中国人スタッフによると、ロシアの旅行会社主催や協力した「シベリア鉄道で行く北朝鮮国際列車ツアー」で入国した例はあるが、ロシア以外の旅行会社では難しいのではないかと話す。
 
 昨年の夏前に羅先観光からの帰路で国際列車運行タイミングに合わせてウラジオストクへ行く予定だったある日本人男性は北朝鮮入国1週間前に乗車予定だった国際列車運休が告げられた。

 帰国便は、ウラジオストク発をすでに購入していたので、どうしても帰国日までにウラジオストクへ移動する必要があり、羅先から一度、中国へ出国し、琿春から翌日の国際バスでウスリースクまで移動して鉄道を乗り続いてウラジオストクまで移動したそうだ。

中国琿春イミグレには注意が必要

 男性がウスリースク駅で見たのは、彼が豆満江駅から乗る予定だった国際列車だった。駅員曰く、ウスリースク止まりになって北朝鮮へは行かず、このままモスクワへ折り返すために停車しているとのことだった。

 もし、逆のパターンになった場合でもウスリースクから国際バスで琿春へ移動し、陸路で北朝鮮へ入国するとなる。琿春の中朝イミグレーションは日曜日が閉鎖日のため出入国ができない。加えて、自国民優先の2級イミグレーションなので繁忙期(昨年は5月1日~10月31日)は土曜日の出入国も停止され外国人は平日しか琿春イミグレーションを通過できなかったので事前に調べておく必要がある。

ロシアと北朝鮮はレール幅が異なるためハサン駅で台車交換

 ロシアと北朝鮮は鉄道で連結されているもののそれぞれ異なるレール幅(軌間)が採用されている。中国と北朝鮮、韓国のように同じ標準軌(1435ミリメートル)で連結されているわけではなく、ロシアは独自の広軌(1520ミリメートル)を採用しているのためやや軌間が広い。

 そのため、ロ朝国境のハサン駅で車両をリフトアップしての台車の交換作業が必要となる。日本では台車交換を体験することは、めったにないので貴重な機会になるのではないだろうか。

 北朝鮮の軌間が標準軌なのは、日本統治時代に朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)が計画、敷いたものを踏襲しているからだ。大連と旧満州国(満鉄)、韓国も軌間を統一させている。そのため中国本土も含め3か国は現在も同じ標準軌のレール幅となっている。

ロシア支援の線路改良によりロシア台車のまま羅津港駅まで行けるように

 軌間が異なる北朝鮮とロシアだが2013年にロシア支援で、ハサン駅から羅津港まで約54キロメートルを標準軌と広軌の4線軌条の混合線に改良工事が完了している。つまり、ロシア軌間の台車のまま豆満江駅、羅先駅までは乗り入れることはできるのだ。そうすると外国人客が豆満江駅で下車後に北朝鮮側で台車交換をしてもいいと思われるが、北朝鮮側で台車交換を行っているとの話は聞いたことがない。

 ハサン駅から豆満江駅まで約5キロメートル。豆満江駅から羅先駅まで約46キロメートル。羅先駅から羅津港駅までは、3キロメートルほどの距離となる。

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA