中朝国境の新義州駅で起こった変化
昨年9月ごろから中朝国境の丹東駅から国際列車で15分ほどで到着する新義州青年駅へちょっとした変化が確認されている。
平壌へ向かう乗客は新義州駅へ到着すると入国審査と税関検査として荷物のチェックを受けるため3時間ほど停車する。この間、車内へ閉じ込められることが多く、隠れたり証拠隠滅防止のためかトイレも施錠されて利用できなくなる。出発前に水分を多めに取ってしまうと大変な目に…が数年前までの話だった。
どういうタイミングかは不明だが、これまで車内へ閉じ込められるときと車外へ出られることもあった。しかし、ホームへ降りられるかは、事前には分からずの到着してみて勝負の世界だった。
この点を丹東の旅行代理店へ尋ねると、新義州駅やまたは駅前などが朝鮮人民軍関係の集まりや訓練などに使われたりが関係しているのではないかとのことだった(国境や税関警備は当然ながら朝鮮人民軍が担当する)。北朝鮮や中国に限らず軍関係の撮影や接近には非常に厳しいので十分に気をつけたい。
中国出国前に受けた機械での荷物検査を新義州駅でも?
昨年9月以降の国際列車利用者によると、乗客全員、すべての荷物を持って下車して、空港で受けるような手荷物検査装置のような機械へ通すように促されたという。不思議なことに通した乗客で開封を求められた乗客はおらず、全員があっという間に検査を終えてそのまま元の車両へ戻るように指示されたそうだ。
不思議な点はもう1つある。出発地の丹東駅で出国手続前に同じような手荷物検査装置を通っているからだ。出国後に買えるものは、小さな免税店のたばこやアルコール飲料くらいで大したものは買えない。
丹東で手荷物検査装置を受けて1時間後にまた受ける。一体何のためにと不思議に感じるわけだ。
出発する平壌駅ではノーチェック
中国人以外の外国人旅行客が新義州駅から乗車して平壌へ行くことは現状ない。先に新義州を訪れて、次に平壌観光という順番が認められておらず、先に平壌を訪れて帰りに新義州へ立ち寄り丹東へという逆パターンなら日本人でも実現できる。
ちなみに新義州駅での手荷物検査装置は平壌から丹東への帰路でも受けたという。なぜか出発地の平壌駅ではノーチェックだからやはり不思議な印象を受ける。
将来的に平壌などで実施するための予行練習なのか、または中国だと高速鉄道はもちろん、地下鉄でも手荷物検査装置を通すので中国の荷物チェック体制を模倣している可能性も考えられる。
新義州駅のホームでは女性の売り子がワゴンで大同江ビールやジュースなどの飲料、ちょっとしたつまみ、菓子類、北朝鮮バッチなども売っている。売り子は積極的に売りたがってアピールしてくるも、軍人がホーム販売を嫌がるのかせめぎ合いのような光景を見ることができる。
172集 中朝友谊的丰碑新义州——朝鲜【North Korea】
中国語のみで日本語字幕はないが、丹東から新義州への日帰りツアーを伝えている。雰囲気は感じ取れると思う。
平壌の大学で中国語を学んだという担当美人ガイドの中国語のきれいな発音に驚きつつ、金正恩委員長も現地視察した化粧品工場や売店、指導者紹介、食事とステージショーをなどを紹介。ショーでは、中国人客を意識したテレサ・テンの代表曲「月亮代表我的心」を披露して喜ばせている。