不安定ながら営業を続ける瀋陽の北レスにマスゲームのパンフレット
不安定ながら営業を続ける瀋陽の北レスにマスゲームのパンフレット
国連制裁の履行期限であった2019年12月22日以降も営業を継続している中国瀋陽の北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)を確認することができた。
新年を迎えた1月2日もコリアンタウン西塔の「平壌館」や「牡丹館」は営業しているが、ランチ営業を止めていたり、時短営業をしているようだ。料理人などのスタッフ不足なのか、客が来ないのか、はたまた、その他の理由なのか詳細は不明だ。
1月3日の午後6時すぎに牡丹館で食事をした中国人の話では、他に客は数えるほどで、ステージショーもなく寂しげだったとのこと。しかし、店内で無料配布されていた昨年のマスゲーム「人民の国家」(外文出版社)のカラーパンフレットをKWTが入手した。中国人向けのマスゲームPR目的と見られ、2020年のマスゲームへの布石とも考えられる。
北朝鮮は、今年も金日成広場で午前0時へのカウントダウン後に花火大会を実施し、深夜0時を越えてカウントダウンライブが大々的に行われて新しい「主体109」を祝っている。今年も、昨年、同様にあの「モランボン楽団」が登場しており、モランボン楽団好きには非常に印象深い年越しとなったのではないだろうか。
中国人の旅の主目的とは?
集客力があるマスゲームが終わる秋から早春にかけては、中国人訪朝者がガクンと減る。そもそも一般的な中国人は、寒い季節に旅をするという習慣が根付いていないからだ。旅の文化がまだ成熟していないことも影響している。
「中国人は身体を冷やすことを非常に嫌います。特に寒さに不慣れな温暖な南方の人たちならなおさらです。わざわざマイナスの世界へ旅へ行こうなんて人は一部の若い人たちを除けば、皆無と言えます。そもそも中国人の旅の目的は、日常を脱出して非日常的な特別な体験をしたり、異文化に触れたり、世界遺産など見て回るというものよりも『食事』と『ショッピング』に目的が傾倒しています。まだまだ中国人の旅の文化自体が未成熟なものと言えます」(瀋陽の国際旅行会社)
2020年のマスゲーム開催の足音が早くも聞こえてくる
2020年のマスゲーム開催の足音が早くも聞こえてくる
中国最大の祝日である春節(旧正月)。すでに心ここにあらずという中国人も多いようだ。まるで、クリスマスを11月から今か今かと待ちわびるアメリカ人に近いものがある。
中国人最大の楽しみである今年の春節は、1月25日だが、春節休みも中国人の訪朝者はあまり期待はできないようだ。そうすると、まだ未発表なものの今年もマスゲームで中国人観光客を集めいたという北朝鮮側の声が早くも聞こえてくる。
昨年は、史上最速の6月3日スタートとなったマスゲーム。今年も同時期くらいにスタートし、昨年並みの5か月間を超える超ロングラン公演となることは十分にありえると瀋陽の北朝鮮旅行の代理店は期待を込めて話す。