1回の旅行で北朝鮮人担当ガイドが最大6人

1回の旅行で北朝鮮人担当ガイドが最大6人

新義州青年駅前にある指導者像。右が新義州駅、奥が鴨緑江、丹東となる

再開も即再停止された日本人向け新義州ツアー 旅行会社の分業協力体制で北朝鮮旅行に変化(1/2)の続き。

 1、2年ほど前までは、平壌へ行き「朝鮮国際旅行社(KITC)」のガイドが平壌や周辺の板門店や南浦へ同行して案内していた。以前であれば、新義州も同じくKITCのガイドが平壌から同行して案内していたが、どうやら現在は、KITCのガイドは平壌駅で別れ、新義州では、「妙香山国際旅行社」のガイドが出迎えて担当していることが代理店からの話で分かった。

 つまり、旅行会社が分業協力体制へ移行しており、途中でバトンタッチをしているのだ。同じような代理店の分業協力体制は、他にも見られる。首都平壌と羅先の両方を観光する日程のときだ。平壌からは、高麗航空の国内線で清津へ移動し、さらに清津から自動車で、羅先へ向かう。
 
 そうすると、平壌はKITC、清津は「清津国際旅行社」、羅津は、「羅津国際旅行会社」の3社がそれぞれ担当する。すなわち、1回の旅行で、3社、6人のガイドと接することになるのだ。清津は観光を希望しなければ、羅先までの送迎のみとなる。

新義州や清津には日本語ガイドがいない

 この旅行会社の分業協力体制は最近始まったものと見られ、体制がまだ整っていないのことが、 妙香山国際旅行社に日本語ガイドがいないことでも分かる(英語か中国語のみ対応。清津国際旅行社にも日本語ガイドは不在、羅津国際旅行会社は1人)。

 もう少し時間が経てば、日本人を担当するローカルの国際旅行会社にも日本語担当が他誕生してくるだろうと推測される。

 旅行会社の分業協力体制へ移行しているとはいえ、羅先を例外として、平壌のKITCがあくまで起点となる体制は変わらないようだ。

開城や南浦、元山、恵山のローカル旅行会社が日本人を担当する時代も

開城や南浦、元山、恵山のローカル旅行会社が日本人を担当する時代も

金正恩委員長が頻繁に現地指導することで知られる新義州化粧品工場へ向かってピースする中国人女性(旅行会社提供)

開城や南浦、元山、恵山のローカル旅行会社が日本人を担当する時代も

 日本人が北朝鮮を旅行するときには、現地の北朝鮮人との接触は著しく制限され、外国人慣れしたホテルのスタッフや観光地の案内人などとしか事実上、接することができない。一般の北朝鮮人は外国人との接触を禁止されているとも言われる。しかも、ゆっくりと話ができるのがガイドくらいとなるので、ガイドから得られる情報は訪朝者にとって非常に重要なものとなる。

 そう考えると、1回の訪朝で4人や6人のガイドと接することができるのは、大きな意味があるのかもしれない。

 将来的に北朝鮮への国連制裁が緩和され、本格的な経済発展トレンドへ乗って市場開放政策でも始まれば観光業はより活性し多様性を見せ始めることが予想される。

 過程の話ではあるが、そうなれば、板門店から入国すれば開城の旅行会社が担当したり、南浦から入国すれば、南浦の旅行会社、金剛山からの入国なら元山の旅行会社、白頭山の中国側、長白山から入国すれば、恵山(ヘサン)の旅行会社が担当するようになっていくのかもしれない。


Beny en Pyongyang, Corea del Norte

 上記の新義州化粧品工場を訪問している動画(スペイン語・字幕なし)。

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