日中連休が唯一重なるゴールデンウィークとメーデー連休
訪朝する中国人客が急増していると報じられる2019年。今年最長で10連休になったゴールデンウィークに訪朝した日本人観光客の感想から平壌の現状を考えてみたい。
日本のゴールデンウィーク期間は、中国のメーデー連休と重なるという日中で連休が重なる唯一のタイミングとなる。
メーデーは5月1日なので、暦上での中国のメーデー連休は5月1日(水)から5日(日)となるのであるが、世界一の人口を誇る中国では民族大移動が起こるため企業によっては連休を前倒しにして混雑ピークを避ける企業も少なくない。そのため、今年であれば、4月27日、28日の土日を休日出勤して、29日(月)からドーンと大型連休をという中国企業もあったりするので、4月末でも中国各地の観光地は混雑している。
今回、平壌でメーデーを迎えるグループツアーへ参加した40代の男性の感想を紹介したい(改行などを除けば原文のママ)。
中国はメーデー連休前だったので出発地の丹東駅が大混雑で、待ち合わせる人を探すのに一苦労することから旅が始まりました(今後のためにも案内カードを持つなど、ひと目で分かるような目印や具体的な場所を指定するなど工夫ください)。
丹東を出発して鉄橋を渡り新義州へ到着後の入国審査でも事前に聞いていなかった団体名簿提出を求められるなど一悶着がありましたが、国際列車の中は比較的に自由にウロウロでき、他の北朝鮮人や外国人旅行客と接することができた不思議な空間です。
午後7時に平壌駅に到着。今回、我々のガイドは、日本語が流暢な男性と日本語が話せない観光系学科という中国語ガイドのインターン女子学生という組み合わせ。忙しくてガイド不足だったのでしょうか?
女学生ガイドとの意思疎通はスマホの翻訳ソフトを使ったり、何よりも今回一緒に旅したグループメンバーが個性豊かで面白い人が多く、中国語がペラペラな人や韓国語が達者な人もいて、中国語や韓国語(朝鮮語?)で女学生ガイドと話し、それを他の人へ日本語で説明するなどしてコミュニケーションしてました。
今回、宿泊先ホテルは、高麗ホテルです。1階奥にネオン輝く大きなホテルの模型が。昨年、この模型を泥酔して破壊した日本人大学生がいたので最近まで日本人は高麗ホテルへの宿泊が禁止されていたとガイドから説明を受けました。我々はラッキーだったのかもしれません。
チェックイン、夕食後はガイドさんと今回の旅の打ち合わせをしました。
翌5月1日はメーデーだったので、運動会のようなメーデーへイベントへ参加し、綱引きをしたり、北朝鮮の人たちと触れ合ったりできました。北朝鮮ナショナルチームが着るようなジャージもゲットし疲れも忘れテンションは上がっていきます。
問題は、開城や板門店のような観光地で、中国人団体客が大勢いました。多いだけならいいのですが、ガイドの指示に従わず、好き勝手に行動するためか移動が遅く、先へ進まない。観光施設も大混雑で、ガイドや案内軍人さんがブチ切れていました。
その影響で、私たちの予定も大幅に遅れ、午後からの平壌観光の一部がなくなってしまったのが残念です。
日本語が全く話せず当初は妙な距離感があった女学生ガイドですが、旅行が進むに連れてメンバーの語学力のおかげもあり打ち解けていきました。
当初、少年文化宮で子供たちに渡そうと持ち込んだ円形の棒付きペロペロキャンディを女学生ガイドへあげると、…
40代・男性
観光客の増加に対応できていないのか、北朝鮮入国時にトラブルが発生したり、平壌ではガイドの足りない状況が発生しているようだが、旅行代理店によると最近、退職しているガイドが増えているとの情報もある。
訪朝者の感想から見えてくるガイド不足は、旅行客急増だけが要因ではなく、北朝鮮社会自体の何かしらの変化なども関連しているのであろうか。
写真提供 コリアツアーズ