月というよりは空母

月というよりは空母

イルミネーションも好評な月亮島

 2013年12月の張成沢粛清から始まる中朝関係の冷え込みのダメージをモロに受けた中国の丹東が1年前が嘘みたいな中朝関係の改善で地価が上昇し経済的にも一気も盛り返している。

 北朝鮮にもっとも近い場所で宿泊できると密かに人気を集めているのが丹東市南部の月亮島だ。

 中朝国境を流れる鴨緑江に浮かぶこの中洲は、三日月に似ているから月と名付けられているが、南北約1300メートル、幅約200メートルの細長い形状で、航空写真で見ると三日月というより戦艦大和だ。世界遺産となった長崎の軍艦島こと端島よりも巨大なリアル軍艦島という感じがするので、中国初の空母「遼寧」にならい遼寧島がふさわしいのではと勝手に思ってしまう。

 ちなみに中国語には中洲という言葉が存在せず、川に堆積してできた中洲含めて島と表現する。対岸である北朝鮮までは約600メートルほどの距離となる。

開発が頓挫し長年ゴーストタウンに

開発が頓挫し長年ゴーストタウンに

北朝鮮へ見せつける城のようなヴェニス建国ホテル(2015年撮影)

 現在、月亮島には、高級感ある5つホテルからバックパッカー向けのドミトリーホテスルまで複数のホテルがあり世界でもっと北朝鮮が近い場所での滞在を楽しむ旅行者が訪れている。

 続きの記事でご紹介するが世界でもっとも…は実は微妙で、北朝鮮にもっも近いホテル候補は他にも存在する。

 月亮島は、リゾート地して、2004年ごろから開発が始まるも途中で頓挫し、シンデレラ城のようなシンボル的な建物(2015年ヴェニス建国ホテルとしてオープン)を中心に長年放置されてゴーストタウン化していた。

 シンデレラ城の近くには観覧車もあったが回ることもなく2012年ごろ撤去された。平壌への国際列車が通過する中朝友誼橋(旧鴨緑江第二橋梁)を北朝鮮へ渡ったすぐ近くにある新義州の友誼公園内の回ったところを見たことがない観覧車とよく対比されていた(月亮島の観覧車のほうが一回り大きかった) 。

リーバサイドの人気おしゃれスポットへ


航空写真だと中洲の形状と中朝友誼橋からの距離が分かりやすい

 月亮島へ橋はつながつていたもののゴーストタウンだったので長いこと月亮島へ渡ることができない状態が続いていた。中朝関係は冷え込んでいたが、丹東は中国人旅行者が訪れる観光地として年々観光客が増えていったこともあり、2013年ごろに開発が再開され、バーやレストラン、小規模ホテルなどがポツポツでき始め、観光客も渡ることができるようになった。

 ゴーストタウンが5年ほどでリーバサイドの人気おしゃれスポットに大転身を遂げた月亮島。現在では、丹東駅からバスでも行け126路は月亮島直通で1元(約16円)、丹東南部の丹東新区へ向かう303路で2元(約32円)は橋の手前で下車して徒歩で行くことができる。丹東駅からバスで約25分くらいの距離となる。

(続く)

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