ほぼ韓国人客
ベトナム最後の北朝鮮レストラン コロナ禍を生き抜いたラスト北レスの続き。
孫蘭貞さんは、北朝鮮をはじめ世界中の冷麺を食べ歩く旅女で、実は、高麗レストランにはコロナ禍直前の2019年8月にも訪れているので3年ぶりの訪問となった。
まず、利用客であるが、ほぼ韓国人客で、ベトナム人や他の外国人と思われる客は見かけなかったそうだ。
北朝鮮レストラン名物のステージショーはなし(再開時期は未定)。動画撮影は全面禁止と念を押され、女性スタッフが写り込まない店内と料理の写真のみ許された。
また、2人以上の事前予約で、追加料金が必要な個室を利用すれば、個室で歌ったり、踊ったり、プチショーをするとの説明を受けたとのこと。
どうやら閉店前のタイ・バンコクのヘマジ館に近そうなシステムで運営されているようだ。
1本2000円を超える大同江ビール
さて、孫さんお目当ての平壌冷麺であるが、スープは濃いめ、麺は薄めで新型コロナ前と大きな変化なく、おいしかったとのこと。
さらに、冷麺よりの2倍近くする大同江ビールの販売も確認できた。
こちらもコロナ禍前と変わらず、中国へ輸出している大同江ビールをベトナムへ持ち込んだものと思われる。
ラベルには、ベトナム語表示がなく、中国の総輸入代理店である丹東中威工貿有限公司と記載された中国語表示のみ確認できる。
ベトナムへ輸出されたものではなく、私物扱いの旅具通関などハンドキャリーで持ち込まれたものだと思われる。
孫さんから教えてもらった高麗レストランの主なメニュー価格は、
・玉流館冷麺 20万ドン(約1180円)
・大同江ビール 35万ドン(約2070円)
・水 2万ドン(約118円)
中国へ輸入販売されている大同江ビールの販売価格(ECサイト淘宝網)は高くて20元(約400円・黒丸2号)くらい、中国の北レスでも40元(約800円)くらいなので、それと比較しても2.5倍から5倍ほどで販売されていた。
コロナ禍のベトナムでは、大同江ビールが超高級ビールへと変貌(へんぼう)を遂げたようだ。
すでに北カフェや北バーがオープンしている可能性も
再び日本人の観光入国が再開されたベトナムや東南アジア。もしかすると、北朝鮮と親密な関係で知られるカンボジアなどは、密かに北レスか、中国遼寧省丹東などに誕生しているカフェやバー(通称、北カフェ、北バー)などが、カンボジア人や中国人経営店としてオープンしている可能性もある。
金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件で実行犯に利用されたベトナムであったが、2019年2月にドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長との米朝首脳会談の開催国を引き受けた。
ベトナムは、国際列車でハノイ入りした金委員長を沿道でハノイ市民による大歓迎で出迎えるなど北朝鮮との関係はさほど悪くないとされる。
国連制裁前のベトナムには、南部ホーチミンの北レス1店とハノイに2店の計3店舗あったが、ベトナムも違う形態の店がすでにオープンしているのかもしれない。
他の東南アジアの北レス情報も含めて情報があれば、ぜひKWTへお寄せいただきたい。