ソウルへ行けるビザなし入国対象は4か国のみ
新型コロナウイルスの防疫処置解除を進める韓国は、6月1日から一部外国人のビザなしでの観光入国を再開すると発表した。
韓国聯合ニュース日本語版の記事は、「日本は対象外」と、わざわざタイトルに入れて報じた。同じ記事の韓国語記事では、日本についての言及は確認できない。
では、詳細を見てみると、ビザなし入国の対象となる空港は、済州島の済州国際空港と日本海に面する江原道にある襄陽国際空港の2か所。
入国後、ソウルなどへ移動して観光もできる襄陽空港はへビザなしで入国できるのは、ベトナム、フィリピン、インドネシア、モンゴルの4か国、5人以上の団体ツアーが対象となる。
要するにコロナ前、韓国入国の外国人トップ5に入っていない国を対象としている。つまり、外国人へ全面観光再開ではない。文字通り一部だ。
2017年の韓国への国・地域別の入国外国人トップ5は、中国、日本、台湾、米国、香港となる(韓国法務省)。
済州島限定でのビザなし入国処置
続いて日本人にも人気がある済州島であるが、共同通信グループのメディアは、「6月から大部分の国の外国人は、ビザがなくても済州島に30日間の滞在が可能になる」と伝えた。
また、今回、外国人観光客の受け入れを再開する両空港共通で、日本、香港、台湾、マカオなど10か国・地域と、法務省が指定するスーダン、シリア、キューバなど24か国・地域は除外となる。
これをもって聯合ニュース日本語版は、日本は対象外とタイトルに入れて強調したのだろう。
日本人は、元々対象ではないので認知は低いが、実は、済州島はカジノへの集客など観光支援を目的にある特例処置が行われていた。
韓国政府は、中国など韓国へビザなし渡航が認められていない国を対象に済州島限定でビザなし入国できる特例処置を実施していたのだ。
コロナ前、ソウルへ行きたい中国人はビザが必要なので、済州島へビザなしで入国して帰路に経由地のソウルの空港内でショッピングを楽しんでソウル気分を味合うってパターンが定番となりつつあった。
平たく言えば、この特例処置は中国人観光客増加を狙ったものだった。
韓国は死地?新型コロナまん延へ言及する中国SNS
韓国は死地?新型コロナまん延へ言及する中国SNS
今回の済州島への外国人ビザなし観光入国再開は、主に特例処置の対象国向けとなる。
コロナ前の外国人入国者トップの中国が対象となったので、観光業へそれなりのインパクトはありそうであるが、中国人の関心は低い。
本ニュースは、中国共産党機関紙・環球時報が中国SNSへ論評やコメントなしのほぼ事実のみで投稿している。
そこへ書き込まれているコメントには、「誰も行かないよ」「新型コロナ対策失敗国」「行くのは貧民」「毒の島。感染旅行か?」「元々韓国へ行く中国人は美容整形目的だった。今、行くなら自己免疫を最大限の高めないとね」「帰国すると21+7の隔離を受ける。1万元(約19万6000円)かけて、そんな死地への旅はしたくない」などが確認できる。
中国当局に検閲されて残されているコメントは、韓国の防疫失敗による新型コロナまん延を指摘するコメントが多い。
これらは、中国政府がローカルの中国人向けにどのような情報を流して世論形成をしているかを知る素材となりそうだ。