ワクチン未接種者はスーパーへ入れない?
北朝鮮と国境を接する中国遼寧省の各都市は、8月末から新型コロナウイルスワクチン未接種者への大幅な行動制限を始めた。
瀋陽市政府や各都市の衛生健康委員会が、それぞれの公式サイトで発表した情報によると、大都市である瀋陽と大連は、「三碼聨査」という制度を実施すると公表。
三碼聨査とは、医療機関、老人ホーム・介護施設、銀行、ショッピングモール、スーパーマーケット、市場、文化娯楽施設、ホテル、レストラン、駅、空港、政府機関等の公共の場所では、ワクチン接種記録、(国務院)行程カード、健康コード(遼事通健康碼)の3つを提示し、確認を受けないと入場ができないというものだ。
現時点では、ワクチン未接種者であっても、他の2つが表示できれば、ワクチン接種を促されるだけで、入場はできるようだ。しかし、今後はワクチン未接種者は入場自体ができなくなる。
「接種は義務」丹東。就業制限にも言及
国境を接する丹東は、20日に瀋陽や大連よりさらに厳しく、「すべての市民はワクチン接種の責任と義務がある。禁忌者を除く適切な年齢の全市民は、接種証明書を入手しなければならない」と発表。
丹東は、観光都市であることもあり、ワクチン未接種者の入場制限場所として、観光地も含めている。「今後、ワクチン未接種者は、すべての接客サービス業、公共交通機関、タクシーなどの運転業務への従事を認めない。また、全公務員は8月25日までに最低1回の接種を終えなければならない」と就業制限にも言及している。
ワクチン接種証明書などは、IDカード(身分証)と紐づきスマートフォンへ保存される。省や都市ごとにより多少異なるが、国務院行程カードは中国全国共通でWeChat(ウィーチャット・微信)と連動している。つまり、ウィーチャットが必須だ。
丹東市衛生健康委員会は、もしスマホ不所持の場合は、定められた14の病院へ身分証を持参すれば紙で発行すると病院名を公開している。
監視慣れで歓迎する人が多い
それぞれの開始時期は、丹東市21日、瀋陽市24日、大連市29日となっている。
大連は昨日、大連空港で三碼聨査が実施されたことが地元ニュースで報じられた。大連在住者へ29日夕方に確認すると、まだ生活範囲では実施されておらず、バスも地下鉄もそのまま利用することができ、ショッピングモールの入り口でも特にチェックはないとのこと。
「空港や駅などから始め少しずつ対象を広げていくのだと思います。私の家族や同僚の中国人たちは、三碼聨査がしっかりと実施されれば、新型コロナの心配もなく安心して買い物や移動ができるので、厳しくやってほしいと言っている人が多いですね」(瀋陽・中国人会社員)
中国人は監視カメラやウィーチャットなどで監視されることに慣れているためか、抵抗を感じる人は少ない。むしろ歓迎して望む人が多い。