27店がタオバオで販売している
中国税関総署が発表した7月の統計によると、北朝鮮は大同江ビール30万本(500ミリリットル瓶換算で)、3万9604ドル(約430万円)を中国へ輸出した。
現在、中国最大のECサイト淘宝網(タオバオ)では、大同江ビールを販売する店舗が27店確認できる。
タオバオの販売店へ確認したところ販売を再開した大同江ビールは、すべて船便で中国へ運搬されたとのことで、多くの製造年日は今年6月となっている。
金のブランドが新登場
金のブランドが新登場
今回、輸入が再開された大同江ビールの種類には変化が見られる。大同江ビールの中国輸出は昨年夏頃を最後に止まっていたが、それまでは、2号瓶、2号缶、少数ではあったが1号瓶の3種類が確認されていた。
ところが、約1年ぶりの7月に輸入された大同江ビールは、金2号瓶、黒2号瓶、黒2号缶、金1号瓶と、数字が金色で囲まれた金のブランドが追加された。
金と黒の違いは原材料にある。金は欧州産麦芽、黒は北朝鮮産麦芽を使用している。余談となるが、北朝鮮国内向けの大同江ビールのラベルは元々金と黒数字が存在する。
1本あたりの価格は、高い順に金1号瓶、金2号瓶、黒2号瓶(中瓶500ミリリットル)、黒2号缶(330ミリリットル)となる。
その他の違いは、アルコール度数が金黒2号瓶4.5%、黒2号缶4.8%、金1号瓶4%。保存期間は缶のみ6か月間、瓶は12か月間とされている。
中国への輸送に1か月ほどを要しているので、缶の実質的な賞味期限は5か月間ということになる。
社会主義の力に満ちたビール?
タオバオ各販売店の顧客からのレビューは、昨年秋頃を最後に途絶えていたが、販売再開で7月末以降、新しく書き込まれたコメントが確認できる。
中国人購入者がどのようなレビューを書き込んでいるのか見てみると、「高いけどうまい」「品質が良い」「社会主義の力に満ちたビールは、崂山ビールよりもはるかに優れてている(※崂山ビールは青島ビールの低価格ブランド)」「梱包がしっかりとしていて破損せずに受け取れた」「朝鮮で何度か飲んだ。やっぱりうまいね」「金のビールを飲んだ。鴨緑江の味がする」
中国製造と勘違いしている感想も見られるが、おおむね高評価なコメントが書き込まれている。
ちなみに、コメントに登場した青島ビールが製造する崂山ビール缶と大同江ビール缶は同じ330ミリリットル缶なので価格比較をしてみると、崂山ビール2.5元(約42円)ほど、大同江ビール缶12元(約203円)ほどとなる。
価格差およそ5倍。日本へ置き換えると、コンビニエンスストア価格で缶ビール1本220円として、缶の大同江ビールは1本1100円相当ということになる。超高級ビールであることがわかる。