発がん性物質は未検出?
韓国の農心がドイツへ輸出したインスタントラーメンからEU基準の148倍を超える発がん性物質が検出された問題で新たな動きがあった。
気になるのは日本への輸入状態だろう。19日、農心ジャパンは、『EU向け「SEAFOOD RAMEN」について』を公開した。
農心ジャパンは、該当製品はヨーロッパ向けのみで日本へは輸入していないという。また、韓国政府の食品医薬品安全処から発表された検査結果として、欧州食品安全機関(EFSA)が検出したと発表したエチレンオキシドは未検出。非発がん性物質であるクロロエタノールが微量検出された。検出された量は人体に影響がないとしている。
韓国食品医薬品安全処は、大々的に報じられた148倍超の発がん性物質が検出されたとするEFSAの見解と異なっている。この点を農心はEFSAの独自基準によるもだと説明している…。どうもスッキリとしないので続報を待ちたい。
海鮮湯麺は日本で広く販売されているものではないので、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで見かけることはないものの、いずれにしても、農心ファンとしては一安心といったところだろうか。
非個人アカウントで大量投稿される中国SNS
非個人アカウントで大量投稿される中国SNS
14日の一報後、炎上している中国は、中国語の公式サイトでの発表は確認できない。しかし、SNS微博(ウェイボー)公式アカウントは、15日付で声明を画像として添付。声明は該当商品を中国は輸入していないと記載されている。
この投稿へは「本当に安心して食べていいのか?」「辛ラーメン大丈夫?」「どうして画像添付のみ?」などが確認できる。
今回の農心の発がん性物質検出問題は、中国国内向けのTikTok(ティックトック)である抖音に大量の動画投稿が確認できる。
不思議なことに個人アカウントはほとんどなく、大半を延辺や太原などの中国地方局や四川日報や河南商報など地方紙、中国証券報などの経済紙等の公式アカウントが占める。
投稿動画には、数万を超えるいいねやコメントが書き込まれていて、多くが農心や韓国批判となっているのは、昨日お伝えたウェイボーと似たような状況のようだ。
中国政府が主導する暴動の歴史
この20年間を見ても中国政府は、中国共産党の利益に関わる部分であると判断すれば、特定の国や企業を狙った暴動へ発展させることを繰り返してきた。
代表例では、2008年、ダライ・ラマ14世に関係したフランスのカルフールへの店舗襲撃。2012年、日本政府による尖閣諸島の国有化を巡り日本企業への大暴動。2017年、韓国の終末高高度防衛(THAAD)配備でのロッテマートへの襲撃など枚挙に暇がない。
中国政府は、これらは一般の中国人による自発的な意思表示などと言い張っているが、実態は中国政府による国民の批判を外へ向けるために主導した官製暴動とされる。
さて、今回の農心の問題は、このまま収束するのか、それとも…。