世界1のVPN大国
五輪選手へのネット攻撃 日本人が考えもしない国策襲撃(1/3)の続き。
おそらく、世界でこれほどVPNを利用する国は中国だけだろう。ベトナムは2013年頃までフェイスブックやLINEを規制していた過去がある。その頃は、ベトナムでもVPNを使用することがあった。
日本はサイト規制が少ないので、あまりピンとこないが、多くの国ではアダルトサイトを規制したり、その国の国民にとって望ましくないと判断された一部サイトは禁止している。禁止サイト自体は多くはないが、各国で確実に存在している。
もっとも現地国でVPNを使用すれば、それらの禁止サイトへアクセスできる。中国はこの禁止サイト数が世界最大級ということだ。日本で日常的に閲覧するサイトは、ほぼ閲覧できないと思ってもらって差し支えない。
仮に閲覧できても、グーグルの検索エンジン対策で、グーグルのプログラムが入っているサイトは読み込みエラーを起こすため、開くのがイライラするほど遅くなる。
現在、中国国内向けサイトを除く、世界中のほぼすべてのサイトがグーグルを意識したサイト作りをしているので、中国からは海外サイトが開けないか、アクセスできても非常に遅い(重い)のだ。
VPNを利用する中国人は数%?
VPNは一般の中国人でも契約し利用することができる。実際に一定数、利用している中国人は存在する。日本など海外企業とビジネスをしている人や日本語や英語など外国語が操れる人が外国語情報を得るために利用している人もいる。
VPNを利用する中国人がどのくらいいるのかの統計は存在しないので不明だが、全体の数%もいないのではないだろうか。
中国は全体的にパソコン向けサイトから、新しくより規制の網を張りやすいスマートフォン向けサイトへ移行させているので、国内サイトのみを閲覧する限りは、VPNを利用する必要性はまったくないからだ。
現在VPN利用は違法ではないが…
現時点では、VPNを利用することは違法ではない。現実的にはVPN業者への規制は年々強化されている。中国企業がVPNを法人業務で利用することはグレーで、検挙理由にされる恐れがあると助言している中国人弁護士もいる。
個人でVPNを利用すること自体は問題ないが、たとえば、VPNを利用してフェイスブック上に中国共産党への批判を書き込んだりすると特定されて拘束される。
なんせ中国公安は、VPNを使って国内で禁止されているはずのフェイスブックなども日夜チェックしているからだ。
近い将来、中国はVPN利用者も拘束理由にする可能性は高いと噂されている。当然ながらその時は日本人も対象となると予想される。