中国から水谷選手へ誹謗中傷DM
中国から水谷選手へ誹謗中傷DM
卓球の水谷隼選手へSNSでの多数の誹謗中傷があったことが問題となった。今回の東京オリンピックでは、大会期間中も選手自身がSNSで発信していることも誹謗中傷を生み出す一因と指摘されている。
水谷隼選手と伊藤美誠選手が卓球混同ダブルス決勝で中国を破り金メダルを獲得した直後の先月28日、水谷選手が「とある国から、『○ね、くたばれ、消えろ』とかめっちゃDMくるんだけど…」(現在は削除済み)とのツイートが報じられた。
とある国が中国だと指摘すると「断定するな」「中国への差別だ」などの別の批判があるようであるが、水谷選手本人が中国語でのダイレクトメッセージであると明かしているから中国からで間違いないだろう。
現在も中国のSNSウェイボー(微博)で簡体字でも同じ「水谷隼」で検索すると、批判投稿が多数ヒットする。
送りつけたのは一般の中国人なのか?
今回のオリンピック選手への誹謗中傷は、日本人によると思われるものも多く、社会問題となっているので、まずは日本の状況を改善することへ知恵を絞るべきであるが、日本、中国以外、世界中で似たような問題が散見できることを考えると、新型コロナウイルスによる社会的な閉塞感、個々で抱えたストレスの転化にSNSが利用されている側面は否めない。
しかし、多くの日本人は、日本社会の価値観で、水谷選手へ誹謗中傷するダイレクトメッセージを送りつけたのが一般の中国人であるとぼんやりと考えている。果たして本当に一般の中国人なのであろうか。
まず、中国はツイッターへのアクセスを禁止している事実がある。ツイッターに限らず、世界の主要SNSは禁止されていて、一般回線からはアクセスできない。
中国で個人がアクセス禁止サイトを閲覧するためには、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使うことが一般的な手段となる。
VPNとは?
VPNとは本来、本社と支社など企業間を結ぶセキュリティを高めた専用線としてビジネス用途で使われた。そこから、たとえば、中国から日本や英国などを経由してアクセスすることで、中国にいながら仮想的に日本からアクセスしている状況を実現するものへと応用されたものだ。
日本ではVPNを個人が使う必要性はまったくないので、一般的に知られていないのは当然となる。
このVPNは、今や中国に滞在する日本人には必須なものとなっている。VPN自体は誰でも契約することができる。月額1000円くらいからあり、2年など長期契約すると月数百円ほどで利用できるサービスも存在する。
また、中国国内に拠点を持ち、接続サポートも提供する中国企業もあり、こちらも2000円ほどで安定したサービスやサポートを受けることができる。