七宝山ホテル同様の北朝鮮ホテル?
異質だらけのパタヤ北レス 北朝鮮経営のホテルだった?(2/3)の続き。
その1で紹介した北レス木蘭レストランを取り上げた2018年4月発売の月刊誌には、「店内の韓国人たちも、実はビジネスで北朝鮮工作員と付き合いがある連中だ」と書かれていたが、さすがに邪推してしまう。
しかし、いくらなんでもロケーションが悪すぎる。そう考えると、木蘭はレストランとしての外貨を稼ぐことよりもターゲット客であろう韓国人駐在員から何かしらの情報を得たり、工作活動の拠点に使うことが目的だったとの指摘は、今振り返っても十分に納得できる。それくらい他の世界の北レスと比べると異質だったからだ。
木蘭レストランがあったマグノリアスホテルが、北朝鮮の貿易会社Tが運営に関与していたのが事実なら、かつて中国・瀋陽にあった「七宝山ホテル」のように北朝鮮系列のホテルということになる。
ホテル敷地内にいた北朝鮮人男性
そういえば、マグノリアスホテルの敷地内では北朝鮮人男性をよく見かけた。彼らは木蘭のスタッフの送迎のため待っていると言っていたが、別の目的で待機していのかもしれない。
現在は、Crab(クラブ)タクシーが利用できるようになったが、グラブのサービスが始まる前には、タクシーかバイクをレンタルして木蘭へ行かないと夜間はタクシーがまったく通らないような場所だった。
1度、タクシーがなくてホテルへ戻れないと外で待機していた北朝鮮人男性へ話すと、「俺が乗せていってやるよ」と、送ってもらったことがある。
盗聴器がない(?)トヨタの車
盗聴器がない(?)トヨタの車
送迎費用はタクシーより高くついたが、送ってくれた自動車はトヨタで、車内では20代後半という北朝鮮人男性が、タイでの生活やパタヤ在住の日本人の知り合いがいる。2年ほど北朝鮮へ帰国していないが、周辺のベトナムやカンボジアへたまに出張している。自動車はトヨタがナンバー1だね。いつか日本へ行ってみたいなどを饒舌に話していた。
おそらく、車内に盗聴器がないのだろう。北朝鮮人は盗聴器がどこにあるのかを知っている人が多いから、彼が把握していても不思議ではない。
また、別の機会で木蘭を訪れた時の話だが、北レス1階部分には厨房があり、通路を挟みソファーがあって歓談できるようなスペースがあった。そこで朝鮮語で会話をする中年男性2人がいたので、レストランの関係者かと尋ねると、「そうだ」と答えた。うち1人は北朝鮮人ではなく中国・丹東出身の朝鮮族だった。
朝鮮族男性は、流暢な英語で自称10年ほどタイに住んでいると教えてくれた。もし、中国籍である朝鮮族が関係しているとしたら、木蘭レストランが単なる北レスではない、ということを感じさせるものだった。