「必要なら支援を検討する」中国外務省

「必要なら支援を検討する」中国外務省

6月27日付の労働新聞。毎日のように消毒作業を紙面で紹介している(提供 コリアメディア)

 タイトル「平壌の学校で防疫再強化」。平壌第4小学校の清掃員が教室を消毒しているとの冒頭説明から始まる記事には、白いマスクとゴム手袋をした女性が児童たちの机を消毒しているような写真が載っている。

これは1日、中国のスマートフォン向けニュースアプリが、先月30日、中国外務省の対北朝鮮支援について言及した内容を伝える記事の冒頭部分となる。

 記事では、「6月30日、中国外務省の報道官は、『中国は北朝鮮が国内の事情に基づいて行っている防疫措置を尊重しており、北朝鮮が必要とする場合には、積極的な援助提供を検討する』と述べた。

 北朝鮮は新型コロナウイルス感染防止のため、国境管理を再び強化し、2021年5月の中国からの輸入はわずか271万4000ドル(約3億円)で、先月と比べ90%減少した。また、北朝鮮は、国境封鎖措置や国際的な制裁の影響を受けて、北朝鮮の為替レートは急激に変動している。通貨ウォンの対米ドル為替レートは、6月初旬と比べ30%を越える下落となり4900:1となった」と報じている。

国境再封鎖・貿易激減の原因は北朝鮮側

 確かに中国税関総署が発表した貿易統計では4月に急増した中国からの輸入額が5月に再び急落していることが確認できる。

 中国側の対外的な発表では、北朝鮮側が国内要因で国境封鎖を再び強化し、貿易に応じていないと主張している。つまり、「中国は、すぐにでも貿易を完全再開させたいが、北朝鮮が拒否している。貿易が激減し、為替レートも急落しているが我々のせいではない。責任は北朝鮮側にある」と国内外への言いたいのだろう。

 中朝貿易は3月から再開し始めて4月には、貨物列車やトラック輸送などが貿易が本格的に再開するとみられていた。実際、統計上では、4月は2、3月と比べ大幅に増加した。しかし、それでも、半年前の昨年9月水準に戻っただけで、本格再開とは呼べないものだった。

重大事件との関連は?

 5月の貿易量再急落は、先月29日に金正恩(キム・ジョンウン)総書記が発言した「重大事件」と関係があるのだろうか。現在、推測されているのは、感染者ゼロで抑え込んでいたはずの新型コロナ感染者が発生したことや密貿易など国境管理に何かしらの不手際があったなどがあげられている。

 4日、中国・丹東の貿易関係者へ話を聞くと、現時点でも丹東税関が正式再開して一般貨物のやり取りが始まったとの情報はないとのこと。

 「4月から中朝貿易が再開したようだが?」と重ねて尋ねると、中朝友誼橋(旧鴨緑江第二橋梁)を通過するトラックは4月以降も確認できないと答えた。一方、その隣の断橋(旧鴨緑江橋梁)を訪れる観光客は、コロナ前の状況が戻ったかのように賑わっているそうだ(事実か不明だがコロナ対策で断橋や各観光地は入場制限をしているとのこと)。

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