昨年12月から18歳以上の希望者へワクチン接種始まる
昨年12月から18歳以上の希望者へワクチン接種始まる
中朝国境の丹東を含む遼寧省政府は、4月25日、省内在住の外国人に対して新型コロナワクチンの接種対象に含めると発表した。
遼寧省には、北朝鮮と国境を接する丹東や集安。日本人が多く居住する大連。北朝鮮領事館があり平壌との空路直行便が運行される瀋陽などがある。
在瀋陽日本国領事館が発表した概要は下記の通り。
<概要>
●年齢条件は、18歳以上であること。
●ワクチンの種類は、中国製不活化ワクチンを使用し、計2回接種する。
●接種希望者は、原則勤務先や所属機関から予約すること。それ以外は、居住社区或いは「遼事通」システムから予約する。
●接種前に、事情了承・同意書等に署名する必要がある(接種する場合には、その内容をよくご確認ください)。
●接種会場では、パスポート及び居留証明書類(2回目の接種まで有効期限であること)が必要。
●料金は、遼寧省内の社会保障医療保険に加入している者は、無料で接種することができ、保険に加入していない場合は、費用は100元/回かかる。
●接種証明書は、計2回の接種完了後に提供される。
遼寧省人民政府外事弁公室発表
http://wsb.ln.gov.cn/xxgk/tztg/202104/t20210425_4122681.html
接種証明書が必須に?
大連や瀋陽在住者へ確認すると昨年12月から中国人向けのワクチン接種が始まっており、外国人と同じく対象は18歳以上、希望すれば年齢にかかわらず接種できるという。
すでに2度の接種を終えた大連の40代男性は、「特に副反応もなく、これで安心できる点が大きい」と接種感想を話す。
接種するワクチンは中国製ワクチンのみで選択できない。中国製ワクチンは、不活化ワクチンで、現在、世界で接種が進むファイザー(米)やモデルナ(米)などのmRNAワクチン。アストラゼネカ(英)やジョンソン・エンド・ジョンソン(米)の非複製型ウイルスベクターワクチンなどいずれも人類史上初めて使われているタイプのワクチンではなく、インフルエンザなど過去に使われてきたワクチンタイプとされる。
接種者は2社ある中国のワクチンを選んだり、海外製のワクチンも選択できない。
「今後の中国では、2回接種するともらえる『接種証明書』の存在が大きくなると思われます。大型展示会への参加や国内線旅客機の利用など省を越える移動で接種証明書が必須になる可能性があるからです」(瀋陽・医療従事者)
現在、ワクチン接種は自由意志で選べる中国であるが、もしかすると接種証明書がないと就職や大学進学ができないなど、事実上、接種が義務化されるかもしれないとの声が挙がっている。