起亜のSUVがリコール
起亜のSUVがリコール
ロイター通信によると、韓国の自動車メーカーである起亜自動車が生産した多目的スポーツ車(SUV)・セダンのリコールを実施するという。韓国の自動車メーカーの間では、数年前から出火事故などのトラブルが相次ぎリコールを行っており、再発防止の対策を講じていたところだった。
このように韓国の自動車業界で相次ぐリコール問題。果たして不安を感じずに韓国の自動車に乗れる日はいつ来るのだろうか。これらの問題が起きる背景に迫っていく。
シェア8割を誇るヒュンダイ・起亜グループ
韓国の自動車メーカーの名前と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。現代(ヒュンダイ)、起亜、韓国GMなど韓国でも様々な企業が自動車を生産しているのがわかるだろう。このうちヒュンダイ自動車とその傘下にある起亜自動車については、韓国の中で約8割ほどの大きなシェアを誇る自動車メーカーだ。
聯合ニュースによると、2020年の自動車の販売台数は、新型コロナウイルスの影響によって販売台数が減少したものの、635万851台(前年比11.8%減少)だったという。
冒頭で触れたように、このヒュンダイ・起亜が製造した自動車に関して、リコール問題が発生している。韓国メディアの報道によれば、ヒュンダイが今年2月末にSUVの「コナ」(KONA)などについて、8万1701台を全世界でリコールする。今回リコールされるコナには、これ以前からブレーキ不具合などを原因としたリコールの事例がある。
頻発するリコールの背景
これらの問題が頻繁に起きる背景には、熾烈(しれつ)な自動車競争が遠因にあると考えられる。品質の評判がよい日本車、海外の自動車はもちろん、国内での競争にも勝たねばならない。
2020年は、新型コロナウイルスの影響もあり国内での売り上げなどは好調だったが、コロナ後を見据えると、ヒュンダイ・起亜も、うかうかしてはいられない。
そんな自動車業界に、世界的な車載用半導体不足が追い打ちをかけている。新型コロナの影響から自動車需要が減少。それが半導体製造メーカーにも波及しているのだ。韓国政府は、これ以上の影響を受けたくないと考え、車載用半導体に関する支援策などを発表し、自動車産業の衰退を避けるべく、あの手この手で対応している。
安全か?早さ・新技術か?
ヒュンダイは日本勢よりも新しい技術を積極的に導入しているとも指摘される。自動車好きには、新技術をいち早く目の当たりにできるのは幸運に違いない。これからも技術革新によってさらに自動車は進化し、ユーザーに新しい世界を見せてくれるだろう。
しかし、それと同時に当然ながら高い安全性も求められる。今のような状態が続けば、ユーザーは確実に韓国製自動車から離れていく。
前述のような競争にさらされている韓国企業は、安全を求めるべきか、どこよりも早く製品を生み出すべきかのどちらかを選ぶ岐路にあると考えるべきではなかろうか。
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小林 英介(こばやし えいすけ)
ライター。ウェブメディアで便利グッズから政治に至るまで幅広く執筆している。現在は「ピコピコカルチャージャパン」で連載中。過去の執筆媒体は「公務員総研」「まいどなニュース」など。
@chimata_score8i