4月7日、韓国のソウル市と釜山市で市長選挙が行われ、即日開票される。このうち、ソウル市長選挙は韓国の首都の首長を決める選挙であり、注目度は特に高い。この選挙は巷(ちまた)では来年3月に開催される予定の韓国大統領選挙の「前哨戦」となるとの見方もある。世論調査によると与党より野党候補者の支持率が高い情勢で、与党は苦しい戦いを強いられているようだ。
本日、投開票を迎えるが、これまでの流れや情勢をお伝えする。
期日前投票の投票率が過去最高の21.95%
ソウル市長選挙に立候補しているのは、最大野党・国民の力の呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長と与党・共に民主党の朴映宣(パク・ヨンソン)前中小ベンチャー企業相だ。
4月の2、3日に実施されたソウル市長選の期日前投票の投票率は、中央選挙管理委員会が4日に発表した時点で21.95%となっている。この数字は今までで過去最高の投票率であり、それまで最高だった2014年10月に行われた選挙の19.40%を上回る投票率だ。
野党候補者一本化で与党へ対抗
野党候補者一本化で与党へ対抗
国民の力の呉世勲元ソウル市長は元弁護士という肩書きでテレビに数多く出演し、2000年、ハンナラ党(現 国民の力)公認で国会議員へ当選。2006年にはソウル市長として当選してソウル市政を任された。2011年に辞任したが、またチャレンジを試みる。
共に民主党の朴映宣元中小ベンチャー企業相は、元テレビ局アナウンサーという経歴の持ち主。東亜日報によると、朴氏は若者に対して5GBのデータバウチャー(引換券)を支給するとしている。5Gを導入し続けている韓国に、新しい風をもたらしてくれるだろう。
朴氏の他にも野党候補として、中道系野党「国民の党」の代表を務める安哲秀(アン・チョルス)氏が立候補を予定していたが、野党候補者一本化の考えから身を引いた経緯がある。この背景には文在寅政権への批判票を野党に集め、与党と一騎打ちの構図に持ち込みたいという野党の狙いがあるとみられる。大統領選挙を来年の3月に控え、野党も一致団結して与党に向かっていく決意のようだ。
ソウル・釜山ともに野党優勢。与党は大統領選挙に向けて苦しい選挙戦が続く
1日発表の世論調査では、ソウル、釜山ともに野党候補が20ポイントほど引き離し野党候補が選挙戦を優位に展開している。
今回の選挙で野党がこのようにして行った候補者一本化の動き、これは野党側に大きく作用するだろう。野党としては、今回の選挙で勝利し、そのままの勢いを持ったまま来年3月の韓国大統領選挙に臨みたいとの思惑がある。
その一方、与党は苦しい戦いになると予想される。不動産投機疑惑問題を契機とした文政権への影響は、予想以上に大きな逆風となっている。与党はこれらの批判をどうやって跳ね返すことができるかが、結果を左右するポイントとなるだろう。
마지막 유세 총력전 與 “거짓후보 안돼” 野 “오만 정권심판” / 연합뉴스 (Yonhapnews)
日本語字幕は正しく文意が表示されない。
小林 英介(こばやし えいすけ)
ライター。Webメディアで便利グッズから政治に至るまで幅広く執筆している。現在は「ピコピコカルチャージャパン」で連載中。過去の執筆媒体は「公務員総研」「まいどなニュース」など。
@chimata_score8i