環球時報が高須克弥氏を個人攻撃
最近、中国政府の一番槍のように最初に敵の本陣へ切り込むことが多い官製の環球時報が再び高須クリニックの高須克弥院長へ攻撃して中国SNSが炎上している。
投稿は、3月1日から中国政府が台湾からのパイナップルの輸入を停止したことに対して、高須氏が自身のツイッターで、
台湾を応援します。
これからはパイナップルは台湾産だけ食べます。
他のパイナップルは食べません。
とツイートしたことへの中国人の反応を取り上げたという体裁をとっている。
102/162件、75%のコメントが削除
102/162件、75%のコメントが削除
中国SNS微博(ウェイボー)の環球時報アカントには、162件のコメントが書き込まれて、うち40件が表示されている。削除率75%と意外にも高い確率で削除されているようだ。
40件のコメントを読むとそれほど過激なものはなく、「好きなように」「食べすぎて中毒になるぞ」「彼らがたくさん買ってくれるといいね、ははは」「高須克弥は極右。一貫して反中を主張する人物」などが確認できる。
“お上である”環球時報の主張に同調するコメントは、中国政府が考える正義と合致するので、コメント削除率は低いと思われる。しかし、75%が削除されているということは、中国政府が“書き込ませたい”趣旨とは違ったコメントが書き込まれたかのかもしれない。
ツイッター禁止国がツイートを転載して炎上させる滑稽さ
投稿には、「日本へ10数回旅行したが、店頭に並ぶバナナやパイナップルの多くがフィリピン産。台湾産なんて見かけなかった」というある中国人の書き込みのキャプション画像も添付して、あくまで高須氏の偏った主張だと言いたげな内容になっている。
さらに投稿の最後は、高須氏が2015年にツイッターで南京大虐殺やアウシュビッツへ疑念を呈するツイートをしているとの補足も忘れない。
それにしても文中にツイッターという固有名詞を多用しているが、問題ないのだろうか。また、中国人の中から、「どうして中国はツイッターが使えないのか?」という当然の疑問が出てこないのだろうか。
ツイッター禁止国の中国が、高須氏のツイッターを逐一チェックしてウェイボーへ転載させて炎上させるのは実に滑稽な感じがする。
台湾の輸入相手国4位・輸出6位の韓国
台湾の輸入相手国4位・輸出6位の韓国
台湾の農業委員会(農政省相当)によると、昨年の台湾のパイナップル生産量は約43万トン、うち4万5000トンが輸出され、輸出先の95%強が中国、2位は2%で日本となる。
台湾の輸入相手国4位、輸出相手国では6位に位置するのが韓国となる(台湾財政部統計処・2018年)。韓国でも日本と同じような声が挙がり、パイナップル輸入を増やすような動きへとつながるのだろうか。
台湾のパイナップル生産量は世界16位。日本は沖縄県と鹿児島県を中心に生産し55位、実は韓国も生産していて74位。北朝鮮は生産量0のようだ(国際連合食糧農業機関(FAO)・2018年)。