ヤフコメを盛り上げる辛ラーメン
世界最高のラーメン=辛ラーメンと認められたと韓国・中央日報日本語版が1月30日報じた。
この記事は、シンジケートするヤフーニュースに掲載されてコメント欄は荒れた。荒れた原因は、
特に韓国インスタントラーメンはスープの深みや麺のコシ、具の味や品質などで日本や中国を抑え「世界最高のラーメン」として認められている。
という一文にもありそうだ。
韓国の新聞や通信社は、韓国語版と並行して日本語版を出しているメディアが多い。以前、韓国大手新聞の日本語版の編集担当をしていた日本人から日本語版は、意図的に過激な見出しや韓国語をそのまま置換したような、たとえば、日帝支配云々などを本社の指示でやっていたという話を聞いたことがある。目的は、計画炎上させてアクセス数を稼ぐことにあったらしい。
現在は、少ないだろうとのことだったが、今回もその例に漏れずか、と思い韓国語版を探してみたところ、韓国語版でもほぼ同じ表現だった。
わざわざ日本を引き合いに出す韓国らしさ
上記の日本や中国を抑えて世界1に認められたとは、2020年、米紙ニューヨーク・タイムズで辛ラーメンが世界最高のインスタントラーメンに認められたことを根拠にしている。
それにしても、ここでわざわざ中国は論外としても日本を引き合いに出すことや1米国メディアが認定したことを世界1と誇張する点などが実に韓国らしいと言える。
少し真面目な話を書くと、世界1に認められたのは、「辛ラーメンブラック」。袋麺で発売されている辛ラーメンの上位ブランドに位置づけられている。
辛ラーメンブラックは、日本でも農心の公式サイトやオンラインで販売されている。辛ラーメンの袋麺は、日本のスーパーマーケットで1袋80円くらいで販売されているのに対して、辛ラーメンブラックは200円ほどの高級品となる。
食べ比べをしたサイトを参照するとブラックは、豚骨風味を加えたもので、こってりした辛ラーメンというものらしい。
連結売上で比較してみる
中央日報をはじめ韓国メディアは、農心の海外売上やインスタント麺の海外輸出が最高を記録したと、ことさら強調する記事が目立つが、連結売上での日清食品や東洋水産との比較はあまり見かけないようだ。
調べられる限りでの事実を伝えると、農心の2020年連結売上(速報値)は、2兆6398億ウォン(約2488億円)、日清食品は5000億円(日本食糧新聞・1月13日)、東洋水産4260億円(食料新聞・2月6日)。
農心の2020年の連結売上速報値は、2月4日の聯合ニュースより、数字は見込みや予想も含んでいる。
農心の連結売上は、前年比12.6%増だそうが、日清も東洋水産も世界中を覆い尽くした巣ごもり需要で同じく前年度比で売上は伸びている。
もっとも韓国は内需が小さいので、一概には比較できないが、印象操作された記事が日本の大手ポータルサイトへ載っていることは、知っておいたほうがいいと思う。