ナイキ問題を盛り上げたNew DPRKは沈黙
ナイキ問題を盛り上げたNew DPRKは沈黙
「ユニクロ」(山口県山口市)がエアリズムマスクの寄贈対象から外国人を排除したと問題になった。「ナイキ」CM問題では炎上していた中国のSNSではまったく投稿が確認できない。ナイキの件で火へ薪を投じた「New DPRK」も現時点では投稿は確認できない。
New DPRKは、北朝鮮が運用に関与するとされるSNS「微博(ウェイボー)」アカウントで、現在はアメリカのバイデン新政権誕生で起るアメリカ社会の混乱を伝える投稿を連発している。
「ユニクロがまた」は韓国メディアのフェイク?
「WoW!Korea」は、韓国メディアを引用して、「ユニクロがまた」…“朝鮮学校を除いて”マスクを支援=韓国報道というタイトルの記事で報じた。
しかし、調べる限りユニクロが過去の寄贈で朝鮮学校を排除したことは確認できない。完全な取材不足とフェイクではないだろうか。
ユニクロは、この数年の寄贈に関する報道を見ても、特定の団体や福祉施設、被災地などが多く、今回のように日本全国の学校を対象した大規模な寄贈は珍しいのかもしれない。15日に応募を開始して数日で寄贈枚数300万枚に達したため募集を終了している。
ユニクロは今回、外国人排除との批判もあったので、近日中に応募ができなかった外国人学校や今回、元から対象外だった各種専門学校を対象とした寄贈も行うのではないだろうか。
ユニクロは、寄付や寄贈をブランドイメージの向上戦略に活用しているから動きは早そうだ。
在留邦人を落胆させたグローバルユニクロ
すでに全体の売上の半分以上を海外で稼ぎ出すユニクロは、早くから海外市場を重視し、中国へいち早く進出していた企業の1つとして知られる。よく言えばグローバル。悪く言えば、国益とかよりも自社の利益を追求する抜け目なさを持つ企業。
2012年、尖閣諸島国有化をきっかけに中国で発生した反日暴動で、上海のユニクロ店舗は、ショーウィンドウへ「魚釣島は中国固有の領土であることを支持する」という張り紙を掲示し問題となった。
当時、柳井正会長は、「反日デモの襲撃を避けるために、警察からの強い指示に店長がやむなく従った」と語っている。(参考 中国ユニクロで「尖閣は中国領土」 柳井氏「現地警察の要請」)
その判断が功を奏したのか、その後、反日暴動は嘘みたいに収まり、ユニクロは中国でさらに力強く成長していく。
しかし、このときのユニクロの対応に中国在住の日本人たちは大いに落胆した。これもユニクロが掲げるグローバルの一面と言える。
過去、朝鮮学校を支援したことは?
朝鮮学校を排除するような対応を受けたことを報じるのは重要なことだ。しかし、過去にユニクロが寄贈や寄付した中で朝鮮学校や在日朝鮮社会が恩恵を受けたことはないのだろうか。大手メディアが報じないからこそ、そのような点へフォーカスして報じることもまた意味があると思う。
ユニクロは色々な意味で日本人と同じくらいマイノリティに優しい会社のはず。