ユーチューブ禁止国の中国でユーチューバー?
ユーチューブ禁止国の中国でユーチューバー?
韓国人女性ユーチューバーHamzyさんが中国のSNSで炎上し、中国のマネジメント会社が契約を解除したと韓国メディアが報じた。
この報道に触れてまず疑問に感じる。中国でユーチューバー活動って。
中国は「ユーチューブ」を制限している。制限と書くと誤解して伝わるかもしれない。現実は入り口で切断して全面アクセス禁止ということだ。
中国は「グーグル」による中国国内でのユーチューブ関連のビジネスセッションやプロモーションなどの各種活動も許可していない。
535万人のチャンネル登録者を誇る
Hamzyさんの中国向けのユーチューブチャンネルがあったとしても、一般の中国人はアクセスすることができない。中国在住日本人や外国とビジネスする一部の中国企業や中国人は日本など海外に自前のサーバーを設置したりしてVPN環境を構築してアクセスしている。または、VPNを有料サービスとして提供している会社と契約して利用しているケースもある。
現時点では中国国内でVPNを利用すること自体は違法ではない。しかし、許可しているのは個人的活動に限定していて、商品の宣伝など企業活動に利用すると法律違反に問われる可能性があるとされ、線引がかなり分かりづらい。
驚くことにHamzyさんのユーチューブチャンネル「[햄지]Hamzy 」の登録者は535万人もいる。日本で個人名のチャンネルで調べると、米津玄師さんの567万人(2021年1月時点の全チャンネルで9位)、木下ゆうかさん551万人(同10位)と日本だとトップ10クラスの登録者数に匹敵する。木下ゆうかさんのチャンネル趣旨は大食いと食に関する内容なので、Hamzyさんに近いのかもしれない。
中国ではbilibiliで活動
中国ではbilibiliで活動
Hamzyさんは中国ではユーチューブではなく、動画共有サイト「bilibili」で「Bステーション(B站)」というチャンネル名で活動していた。
活動といってもユーチューブ版の動画を中国のマネジメント会社が、Bステーション向けに必要に応じて字幕をつけるなど加工してアップしていただけのように思われる。
内容としては、Hamzyさんが料理をして豪快に食べるという内容だ。実に美味しそうに食べているのが魅力なんだろう。会話はほとんどない。たまに発する言葉に中国語字幕がつくくらいなので編集も楽そうだ。
中国による韓国叩きが文化面へ波及
なぜユーチューブだけで535万人も登録者数がいるのに中国向けに活動をしたのだろうかと不思議に思う。
Bステーションは登録者数40万人いたそうだ。しかし、中国を市場にするということは、同時に中国へ忖度やら配慮をしなければいけないということを意味する。
中国では2017年の禁韓令以降、中国政府による韓国叩きが増えていたが、最近は、政治分野からK-POPや食文化へも飛び火して韓国叩きが増えているように感じられる。