戦前からキリスト教徒が多かった朝鮮半島
歴史を知らない民族? フィリピンが韓国を支援した理由(1/3)の続き。
アジア最大のキリスト教国はフィリピンで、その次が韓国だと世界的に認識されている(熱心なカトリック信者はフィリピンのカトリックは“なんちゃって”だと呆れる人も少なくないがそれは置いておく)。韓国や朝鮮半島には戦前からキリスト教徒が多かった。それはなぜかを韓国人や識者に聞いてもいまいちはっきりしないのだが、朝鮮儒教の根本思想がキリスト教(カトリック?)に近いから教義が受け入れやすかったという説もある。
フィリピンはカトリック信者が多数を占め同じキリスト教国として積極的に韓国への各種人道支援したと伝えられている。
“豊かな韓国が貧しいフィリピンに支援されるわけがない”
“豊かな韓国が貧しいフィリピンに支援されるわけがない”
帰化国会議員1号で美人議員としても知られていたイ・ジャスミン氏が、奨忠体育館について言及したときに挙がった批判には、「貧しいフィリピンが我が国を援助できるわけがない」、「フィリピンに支援されるわけがない」、「無知。歴史を学べ」などフィリピンの現在の国力に念頭に“貧乏国”というフィリピンに対して上から目線で見下した偏見と差別的な認識を根底に浴びせられた批判だった。
確かに現在、フィリピンの経済力はアジア底辺の1国であり、周辺国が独立後に高度経済成長を遂げていく中で取り残されてしまった。その結果、経済発展は大幅に遅れることになる。高度成長を遂げてGDP(国内総生産)世界12位(2019年)まで躍進した韓国から見るとフィリピン(34位・ともに出所はIMF)は貧しい国となるが、フィリピンの歴史を知れば考え方が少しは変わるかもしれない。
余談だが、フィリピンの人口は約1億人と韓国のおよそ2倍。人口が多いためGDPだとアジア中位に位置している。
60年代前半アジア2位の経済大国フィリピン
ソウルに奨忠体育館が建てられた1960年代前半、フィリピンのほうが韓国より経済力は上だった。この事実を信じるだろうか。上どころか、当時、フィリピンは現在のアセアン(東南アジア諸国連合)諸国の中で1位、日本を含めてもアジア2位の経済大国だった。
1962年、フィリピンのGNP(国民総生産)は45億4500万ドル、韓国27億3800万ドル、タイ30億5000万ドル、オセアニアまで広げるとニュージーランド41億600万ドルと当時、フィリピンは韓国どころかニュージーランドをも上回る国力だった(以上の出所は文末参考サイトの世界銀行より)。
東西冷戦下の当時は、東側陣営の国はベールに包まれていたので北朝鮮や中国、モンゴルはn.a.=該当なしで未掲載。また独立して間もないインドネシア、ベトナムなどもn.a.扱いとなっている。
(続く)