金正恩委員長の生誕日1月8日前後か
先月末から12月上旬にかけて日本国内の限られた範囲である噂が流れた。それは12月末から1月に平壌へのチャーター便が飛ぶというものだった。使用機材は普通に考えると高麗航空であろう。
結論から書くと、チャーター便計画は中止(断念?)になったとのことだ。今回はこの噂について掘り下げてみたいと思う。
まず、運行時期である。チャーター便が飛ぶと言われた時期は12月末から1月と多少幅があるようだが、考えられそうなのは1月8日の金正恩委員長の誕生日とされる日の前後だったのでないかということだ。
日本から友好訪問として訪朝している各団体も今年はどの団体も訪朝できていない。民間団体ではもっとも大規模と思われる金丸信吾氏の団体も同様だ。金丸氏の団体は毎年秋口に50人以上で訪朝を重ねてきた。
詳細は不明であるが、チャーター主は今年、訪朝ができなかった友好団体などの関係者なのかもしれない。
1か月前までにCAACへ申請が必要なチャーター便
そもそも今月や来月に中国発でチャーター便が飛ぶことができるのかを上海で「高麗航空」のチャーター便の交渉や集客をしている旅行会社に聞いてみた。高麗航空は上海と平壌を結ぶ航路を週2便のチャーター便扱いで通年運行している。
「そのような話はまったく聞いていませんね。北京発だと思うので正確な情報は私も分からないのですが、まず、現時点での中国の国際便は厳しく制限されていて『中国民用航空局(CAAC)』がチャーター便の許可を出さないと思います。チャーター便を飛ばすためにはチャーター依頼主が飛ばしたい1か月前までに機材を確保してCAACへ申請して許可をもらう必要があります。もし、今の時期にチャーター便の許可が出るようなことがあればすぐに業界内を駆け回ると思います。それくらい新しいニュースがないんですよ」
入国地の指定ホテルでの14日間隔離が義務
仮に許可されたとしても大きな問題があると指摘する。
「中国は入国するすべての人に対して例外なく入国地の指定ホテルで14日間の隔離を義務付けています。北京入国なら北京のホテルになります。中国は、入国しないでそのまま第3国へ飛ぶことはできないので必ず入国する必要があって隔離を受けることになりますね。隔離が免除されるのは先日、日本へ行った王毅さんのような政治家くらいです」(同)
中国は以前、入国なしでのトランジットを試験的に実施していたが、現在は中国の空港到着者は全員入国する必要がある。入国後にトランジットゲートから再出国して乗り換えるという流れとなっている。
入国せずにそのままトランジットができる空港は香港とマカオくらいで、中国大陸では確認できていない。
(続く)