丹東市が北朝鮮観光再開を公式否定
「今月30日からの丹東発の(北)朝鮮観光再開はないことを丹東市政府(市役所相当)に正式に確認しています。完全なデマです。『北朝鮮消息筋』って誰なんでしょうか?韓国のメディアは嘘ばかりで困ったものですよ」
半ば呆れ気味に話すのは、中国瀋陽で中国人向けに北朝鮮旅行を手配する旅行会社代表の男性。
先月27日に韓国の北朝鮮専門メディアが11月30日から丹東往復の国際列車での北朝鮮観光が再開させることで中朝が合意したと報じた。この観光再開の対象は中国人旅行者のみとされていた。
しかし、その直後に複数の中国の旅行会社へ確認したところ「確認できていない」とのことで情報はなかった。しかも、前出の旅行会社代表によると中国国家旅遊局(観光庁相当)は、非公式に中朝国境は来年6月まで封鎖し、出張者などビジネス往来を先に再開させ、観光再開は一番最後になると旅行会社に対して口頭で話しているので、11月末に訪朝再開、しかも観光客からは非常に考えづらいと話していた。
中国が中朝合意を破棄したと訂正記事
最初に報じた韓国メディアのその後の記事を追うと今月11日に、「中朝で合意した国際列車での北朝鮮観光ツアー決裂」として訂正記事のように報じている。
記事内容は、中朝は観光客と一緒に旅行者の手荷物扱いで貨物を運搬することで一度は合意していたが、北朝鮮側が中国人観光客を受け入れず貨物のみの運搬再開にしたいと提案したところ、中国側が反発して合意を破棄。北朝鮮は、それではと南浦への海上輸送再開を提案したがそれも拒否された。
などと中国側に否があると報じている。どちらに否があるかの裏取りはできないが、要するに先月伝えた記事は中朝で正式合意したものではなかったということは確かなようだ。よって事実上の訂正記事とみられる。
取材もしない記事が載る韓国メディアに呆れ顔
「韓国メディアはこのような記事が多いので中国人は韓国のテレビや新聞のニュースは信用していません。今回の件は中国国内では報じられていなかったので業務へ影響はなかったのですが、もし、大きく報じられていたら、問い合わせが殺到しクレームになったりして大迷惑ですよ」(同)
この瀋陽の旅行会社は別の韓国大手メディアに中国人向けの北朝鮮旅行などで記事されたことがあるが、過去に1度も取材を申し込まれたことがないと話す。
「一体誰に聞いた話を書いているでしょうかね?不思議ですね」と取材を受けたこともない内容が記事(しかもフェイク)になる韓国メディアを皮肉った。
中国の海外旅行は原則、各旅行会社へ許可人数を割り当てる許可制なので官の力が強い。その反面、情報はこまめに入ってくるという。