北朝鮮人が個人名でツイッターを始める
北朝鮮人が個人名でツイッターを始める
2人の北朝鮮人が個人名で「ツイッター」を始めたと13日、韓国メディアが報じた。
確認された1人は朝鮮祖国平和統一委員会の金命一と名乗り、もう1人は祖国統一研究院の韓成一と名乗っている。役職は部長と室長となっている。
彼らのプロフィールには10月開設となっていて、11月に入ってから2、3日に1回のペースでのツイートが確認できる。
このニュースは中国のSNS「微博(ウェイボー)」でも韓国「聯合ニュース」や『中央日報』が伝えている。1週間経った現在も記事が残っているので、中国政府は問題ないと判断していることになる。
トランプ大統領登場で中国でのツイッター登場頻度が増す
中国の一般通信回線ではツイッターは遮断されてアクセスできない。ウェイボーはその代替アプリとなるので、中国版ツイッターとも呼ばれることがある。
中国語でツイッターは発音から漢字をあてた推特となる。中国ではツイッターが使えないので国内でツイッターが話題になることはこれまでなかったが、推特の文字を目にするようになったのはアメリカのトランプ大統領の登場からとなる。
なんせ、トランプ大統領の最新情報はツイッターが多いので、「トランプ大統領のツイッターによると…」みたいに紹介される頻度が一気に増えたためだ。
それでも中国政府はツイッターの名前をあまり表に出さないように警戒してきた。もし、ツイッターがツイッターがと露出しすぎると、「なぜ中国ではツイッターが使えないのか?」という当たり前の不満が沸き起こり中央政府へ襲いかかってくることになるからだ。
検閲対象?少ないコメント
今回の北朝鮮人の個人名ツイッターは、他にも香港メディアや米系ニュースを伝えるアカウントも取り上げているが、書き込まれているコメントが非常に少ない。13日に伝えた韓国系アカウント記事はともに0件、他の記事も2、3件となっている。
その理由は、中国人の関心自体が低いことに加えて、記事が検閲対象になっている可能性もある。コメントが書き込まれるとアラートが飛んでチェックが入りコメント内容が不適切と判断されると短時間で削除しているとみられる。
中国政府の自信の現れか
中国政府の自信の現れか
米国華僑中国ニュースというアカウントの同ニュースへ書き込まれた3件のコメントを意訳してみると、
「写真を見ると食べ物や飲み物が少ない。おそらく国際社会が経済制裁をしているからだろう。もっと地方へ食糧を送ってあげる必要があるのではないか」
「インターネット開通か!?」
「指導者たちはツイッターができる。私たちも使うことができるのか?」
特に3件目のようなコメントはこれまでは即消されていたが13日午後に書き込まれて7日間残っている。
考えられるのは、このコメントから炎上していないこと。または、中国政府が今の監視体制ならいつでも削除して短時間で封じ込めることができる自信を示しているかもしれない。なにげないSNSからも中国政府によるインターネット監視制度が日進月歩で強化されていることを感じさせる。
ある北朝鮮研究者は、今後は、北朝鮮の「朝鮮中央テレビ」や『労働新聞』などの官製報道だけではなく、「ユーチューブ」やツイッターなどネット媒体にもアンテナを張って北朝鮮の最新情報を得る時代になってきたと語る。