売春はリスク?外国人と1対1にさせることを警戒
北レス美人スタッフはどうやって選抜され派遣されるのか?(1/3)の続き。
エリートが選抜される北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)ですら、そんな体制で管理しているのに、いくら室内に盗聴器や監視カメラ、またはマジックミラー等で直接監視しているかもしれないが、売春させるために外国人と1対1の環境にするだろうか。そんなリスクを取るとは考えづらい。
イギリス「BBC」で話題となった「ザ・モール(The Mole)」ではないが、もし、売春部屋で1対1になることができるのであれば、世界中のスパイ組織が一般人を装って彼女たちへ接触して諜報活動に利用したのではないだろうか。
もっとも北朝鮮の管理は厳重そうだから、行為が終わるたびに女性の管理者がその場で全裸にして、現金やSDカードなど受け取ったものはないか、話した内容などを徹底的に確認しているのかもれない。それほどまで北朝鮮当局は、北朝鮮レストランに限らず海外にいる北朝鮮人と外国人を1対1にすることへ根強く警戒しているのだ。
大学から推薦で選ばれる美人北レス従業員
では、北朝鮮レストランでの海外勤務はどのようにして決まるのだろうか。国外へ行けるチャンスが限られている北朝鮮人にとって北レスだろうと工場や工事現場労働であろうと海外労働の機会は誰もが憧れる夢の仕事なんだそうだ。
中国で北朝鮮レストランへの勤務経験がある脱北者女性の話によると、北朝鮮には職業選択の自由はないので、自分で希望して海外労働へ応募したりするものではないそうだ。
北朝鮮レストランは、主に音楽系大学の現役学生や卒業生へ声がかけられる。多くが大学関係者からの推挙によるもので、自分から希望するものではない。
原則、自分の選択肢はないので、大学=朝鮮労働党が勧めてくれたものはそのまま受けるのが当然で、書類も学校側で用意してくれる。
出身成分チェックに重点を置いて合否を出す
平壌の凱旋門近くに海外への派遣労働者を派遣、管理する組織がありそこを訪れて面接を受ける。北朝鮮レストランの場合は楽器演奏や歌唱力、舞踊などの技量もあるが、もっとも重要なことは「出身成分」なんだそうだ。当然ながら容姿も重要視される。
出身成分の確認に時間かかるのか半年ほどかかり合否が伝えられる。合格すれば、語学などの研修が始まり、並行して渡航準備を始めるとなる。研修期間は2、3か月くらいが多い。
出身成分の確認が重要なのは、思想もそうだが、万が一、海外労働中に脱北(北朝鮮では「背任行為」と呼び国家を裏切る重罪扱いとなっている)などしないように両親や兄弟、親戚の状況や出身成分も合わせて確認する必要があるからだ。
工場など一度に大量に労働者が必要な場合は、過去に海外勤務をしたことがある北朝鮮人から推薦させて人材を集めて面接することもある。これも万が一があれば、家族だけでなく、推薦人も連帯責任となるため推薦する方も荷が重いとのことだ。しかし、推薦を求められると断ることはできない。
(続く)