中国人は青魚を食べない
中国人は青魚を食べない
北朝鮮漁船に続き大和堆での違法操業を行う中国漁船が急増している。北朝鮮漁船は日本海のいけすと呼ばれる大和堆でスルメイカ漁などをしており、スルメイカの漁期である6月から翌年1月にかけて出没漁船が増える。中国漁船も8、9月で急増したとの報道があるのでスルメイカ漁を行っている可能性もある。
しかし、中国人は魚介類をあまり食べない。食べる習慣があるのは大連や旧満州国の流れをくむ東北3省を含む主に沿岸地域となる。
魚介類でも特に青魚は食べる習慣が少なく、サンマやサバ、アジ、イワシなどを使った中国の地域料理は聞いたことがない。
中国の日本料理店で提供されるサンマはノルウェーなど北欧からの輸入が多い。また、日本人が大好きなマグロも食べる機会がないためか馴染みがなく、その代わりになぜかサーモンを好む傾向が高い。上海などのショッピングモールのイベントでマグロの解体ショーならぬサーモンの解体ショーもしばしば行われているくらいだ。そのサーモンも中国沿岸では捕れないので南米などから輸入されている。
魚介類で好まれるのは魚よりも甲殻類
大陸である中国は圧倒的に肉食を好み、当初は鶏肉や豚肉、経済発展に従い牛肉と消費を増やしていく。さらに中国は中間層が急激に拡大とともに健康志向も高まり、日本人が長寿なのは魚介類を食べる食生活習慣にあるなどが注目されて健康目的で魚介類を食べ始める中国人が増えている。
中国人が魚介類でもなぜか比較的に好むのがカニやエビなど甲殻類で、吉林省延吉の海鮮市場には、北朝鮮が日本海で捕ったズワイガニや毛ガニなどが陸路で運ばれて売られていた。北朝鮮からの輸入が制限されてからは一度ロシアへ輸出され、さらに中国が輸入するというルートで北朝鮮が水揚げした大ぶりのズワイガニや毛ガニなどがロシア産として売られているのも確認されている。
カニは中国人の味覚的に好みなのか、それとも殻を割ったり身を取り出す作業が楽しいのか海鮮をメインとする大連や丹東の高級レストランでは魚よりもカニや甘エビ、シャコなどがいけすの多くを占める光景をよく見かける。
日経新聞が中国ウェイボーで大和堆の危機を報じるも
日経新聞が中国ウェイボーで大和堆の危機を報じるも
日本で報じられた中国漁船による大和堆での違法操業のニュースは中国の官製メディアでは確認できない。SNS「微博(ウェイボー)」を見ると、同じく中国メディアの記事はないが、日本系では数少ない中国語チャンネルが許可され配信している『日本経済新聞』の「日経中文網」が報じている。
今年、これまで北朝鮮漁船が多かった日本海の大和堆で日本の水産庁が中国漁船2586隻へ退去警告を出している。前年比3.6倍となっていると違法操業という言葉もなく、大和堆が日本の排他的経済水域(EEZ)との説明なく日本海のとしか書かれていない。そのまま読むと大和堆がどこの国の漁船が漁をしてもよい公海のように受け取るのではないだろうか。
(続く)