モスクワやヴィエンチャンでもローカルスタッフで運営継続
北朝鮮人スタッフ不在でも問題なし “アソークスタイル”が今後の北レストレンド?(1/2)の続き。
バンコクの「玉流レストラン」が現在の形へ移行して1年ちょっと経過するがコロナ禍の現在も営業を続けている。
北朝鮮人スタッフを撤退させてローカルスタッフで運営することで人件費の負担は増えると考えられ北朝鮮が得られる外貨は減少していると推測される。しかし、このバンコクの玉流レストランと同じ形態へ移行する店が増え始めている。
2月1日、ロシア・モスクワの北朝鮮レストラン「平壌高麗レストラン」は、ロシア人の男性料理人とキルギス人の女性フロアスタッフで営業を再開している。
情報ソースとしては参考程度となるが、韓国「聯合ニュース」の韓国本国版で、ラオスの北朝鮮レストラン2店が同じようにローカルスタッフへ切り替えて運営を再開させたと報じている。
ラオスの首都ヴィエンチャンには北朝鮮レストランが1店確認されているが、本当に聯合ニュースが報じているように2店あるか、ローカルスタッフで継続されているかは裏取りできていない。
アソークスタイルで閉店国の北レス復活も
参考程度のラオスの状況を踏まえると、今後、北朝鮮レストラン界は、バンコクの玉流レストランのスタイルを模して経営継続させる動きが広がるのかもしれない。これをKWTは「アソークスタイル」と勝手に命名したい。
国連制裁のデッドラインとアフターコロナの北朝鮮レストランは、閉店させることなくアソークスタイルの店として存続していくのではないだろうか。
国連制裁前に閉店したマレーシアやインドネシアなどでも北朝鮮風レストランが復活し、ヒジャブを巻いた朝鮮語を話すマレーシアやインドネシア人女性がホールスタッフとして働いているのかもしれない。
現在の国連制裁下では、北朝鮮との合弁企業は禁止されている。そのため現地企業が運営する北朝鮮風レストランなら制裁には抵触しない。さらに勤務するスタッフも北朝鮮人でなければ表面上の問題はない。
今後、このアソークスタイルが浸透していくのか名付けの親たるKWTは注視していきたいと思う。
同じレシピで平壌冷麺を作っていると主張
しかし、肝心の味であるが、“本家”アソークの平壌冷麺を食べ比べた孫蘭貞さんはかなり残念になったと話す。
孫蘭貞さんは、北朝鮮はもちろん、中国や世界中の北朝鮮レストランや朝鮮料理店で冷麺を食べ歩く冷麺旅女だ。
「玉流レストランのタイ人スタッフは冷麺のレシピや材料は以前(北朝鮮人料理人がいたとき)から変わらないと言っていましたが、まったく違う冷麺になってしまって残念ですね。バンコクの冷麺だとここ玉流が一番美味しかったんですよ」(孫蘭貞さん)