国連制裁を生き抜いたハノイの北レス
国連制裁を生き抜いたハノイの北レス
ベトナムの首都ハノイの北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)が閉店したと韓国「聯合ニュース」が報じた。ハノイに2店あった北レスは、国連制裁のデッドライン12月21日を乗り越えて生き残っていた店だった。
ベトナムには2015年時点で、ハノイ2店、中部ダナン1店、南部のホーチミン市1店の営業が確認されていた。こちらも“同じく”聯合ニュースが伝えたものだが、16年2月にダナン、17年9月末にホーチミン市と相次いで閉店した伝えている。
北朝鮮大使館もあるハノイでは、昨年2月の2度目の米朝会談で注目を集めたことは記憶に新しいと思う。その取材で日本から多くのメディアがハノイ入りし、北朝鮮レストランも訪れている。
全店閉店かとミスリードさせる雑な聯合ニュース日本語版
ハノイの2店は、観光客に人気の旧市街の南西エリアの同じ通りにあり徒歩でも行けるくらいの近い場所にあった。ハノイ在住者に知られているのは、現在も営業を続ける「高麗レストラン」(原語では食堂)で、閉店した「平壌館」は知らない人もいたので知名度は落ちるようだ。
聯合ニュース日本語版は写真1枚で、ベトナムの北朝鮮レストランが廃業とだけ伝えている。掲載写真の店は平壌館だ。しかし、ハノイには北朝鮮レストランが元々2店ありもう1店の高麗レストランは営業を続けているのはまったく触れていないので非常に雑で、読者をミスリードする恐れがある。
同じ聯合ニュース韓国語版には、もう少し詳しく説明された記事があり、2店あること、いつごろに閉店したようだなどの説明があるが日本版では見つけることができない。
そもそも聯合ニュースは、警備員の話で5月末に閉店したようだと伝聞で報じているが、複数のハノイ在住者へ聞くとコロナ騒動前の2、3月には閉店したとの話も聞かれる。本当の取材したのであろうか。
韓国メディア日本語版が嫌韓感情を煽っている?
聯合ニュースには明らかに取材せずに記事配信して、誤報と分かっても訂正記事も出さない“慣習”が多数あるのでソースとしては怪しく参考程度にしかできない。
高麗レストランへ電話すると北朝鮮人と思われる女性スタッフが出て営業をしていることが確認できた。また、同店の「グーグルマップ」情報には、7月以降に来店したとみられる日本語のコメントが書き込まれている。
聯合ニュースに限らず、韓国メディアの日本語版記事が日本人の嫌韓感情を煽っているのではと指摘する識者もいる。
今回のように意図的なのか詳細な記事は日本語版では載せずミスリードさせるくらいならまだいいほうだ。しかし、韓国のリベラル、左派系メディアの中には、韓国語版より日本語版のほうが過激なタイトルや見出しをつけたりする記事も少なくない。
(続く)