いつの間にか復活している丹東の北レス
6月中旬、昨年12月21日の国連制裁デッドライン後もベトナムのハノイで営業を続けていた北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)が閉店した韓国メディアが報じた。
昨年12月22日からが一斉休店した中朝国境の丹東の北朝鮮レストランは新型コロナウイルス対策でのロックダウン時に密かに予約営業をしていることが確認されていた。丹東のロックダウンが解除され店内飲食が許可された4月上旬には堂々と北レスも復活した。
しかし、依然として外国メディアの取材が難しい状況が続いているため丹東の北朝鮮レストランの最新情報はあまり入ってこない。今回、中国在住者からの最新の丹東レポートをお伝えする。
観光地に近い人気店も客入りはまばら
訪れたのは7月中旬。梅雨のないはずの丹東だが、今年は雨続きで、先日、洪水対策訓練が実施されるなど鴨緑江の水位状況にも注目が集まっている。
丹東では団体旅行などが規制されたままなので断橋や安東老街など主要観光地も例年の賑わいからは程遠い状況が続いている。
営業が確認できたのは、段橋からも近く今や丹東北朝鮮レストラン界のトップ店と言っても過言ではない「柳京飯店」とその斜め前にある「丹東高麗飯店」の2店だ。
訪れたのは平日の午後7時過ぎ。柳京飯店は2テーブルほどの客、丹東高麗飯店は1テーブルの客の食事を確認できたとのこと。北朝鮮人スタッフは変わらず勤務しているが、どこか暇そうで、客入りが少ないのでともにステージショーは実施されなかった。
北朝鮮人スタッフによると、ここ最近、外国人客はほとんど来店しないとのこと。ステージショーは来店者の状況によって実施していると話す。
対米意識で朝鮮戦争参戦70周年は大規模イベントか?
今回、営業を確認した北朝鮮レストランはこの2店だが、丹東高麗飯店のスタッフによると、同店からも近く鴨緑江に面した「松涛園飯店」、丹東新区への途中にある「綾羅島」は営業しているとのこと。他にも朝鮮族経営とされる「鳳仙花」も営業しているようだ。
北朝鮮レストランを訪れた後の午後8時半に中朝友誼橋を訪れると例年と変わらず中国側の橋がライトアップされている。しかし、この季節のこの時間は、多くの丹東市民が散歩したり、夕涼みしたり、デートをしたりなどの光景が見られるが明らかに見かける人は少ない。
中国公安などが睨みをきかせているわけではないが、ずらっと監視カメラが整備されているのでそのあたりも影響していると考えられる。
10月25日は、抗米援朝過江(朝鮮戦争参戦・北朝鮮への軍事支援)70周年という節目の年を迎える。中国政府は悪化の一途をたどる対米関係を念頭に内政目的で大規模な式典やイベントを行う可能性があるとみられる。