昔から盛ん?
昔から盛ん?
美容整形大国=韓国というイメージが定着している。費用が安く身バレしづらいなどもあってか日本の芸能人や著名人もお忍びで施術を受けるために訪韓している。
日本同様に中国でも韓国の美容整形は先進的で優れているという認識が増えている。中国の大都市では韓流美容整形を謳う豪華で高級感ある大型クリニックや広告を頻繁に見かける。
韓国人に「韓国はいつから美容整形が盛んなのか?」と尋ねると、「昔から」という回答が多い。
昔っていつからだろうと調べていくと、実は韓国の美容整形の歴史は20年ちょっとであることが分かる。
高須克弥氏=韓国美容整形の父
日本で美容整形の認知度を大きく高めることに貢献したのが「高須クリニック」の高須克弥氏だろう。高須氏が「週刊女性PRIME」のインタビュー(“韓国の整形美人はなぜ同じ顔なのか?”と高須院長に聞いてみたら)で、韓国が軍事政権だった30年以上前、韓国から患者が多く来ており、施術したり、頼まれて医療関係者の指導をしていた。
韓国で美容整形が正式に容認されたのは金大中政権になった1998年で、それまでもあったが闇営業のようにひっそりとやっていたため情報が公開されず、当然ながら技術も向上しなかったと答えている。
金大中大統領の次の盧武鉉大統領は自身が美容整形を受けたことを公言するなどした影響で爆発的に韓国における美容整形市場が拡大することになる。
今でも高須氏が作った教科書が韓国の美容整形学会で使われてバイブル化している。にもかかわらず、韓国美容整形の父であるはずの高須克弥氏の名前はあまり韓国の美容整形界では見かけない。この儒教精神に相反するような点が実に現代韓国らしいと言える。
美容整形は朝鮮儒教に反する?
この話を元に再び別の韓国人へ聞いてみると、軍事政権時代までは美容整形を忌み嫌うような風潮があり、民主化した後もその影響が続き21世紀直前まで解禁されなかったという話が出てきた。
本来、朝鮮儒教の考え方は、絶対的敬意を払うべき親からもらった大切な身体へ外科的なメスを入れることは不忠なことであり、その延長で刺青(タトゥー)なども否定的な空気が色濃く残る。
しかし、朝鮮儒教の原理原則に反するように親が幼い子どもに美容整形を施術させたり、(親がやるから反しないという解釈なのか?)就職に備えて美容整形を受ける学生など身体をメスを入れまくる状況が乱発されている。
この朝鮮儒教の理念に大きく矛盾する現実には、なんとも理解に苦しむところだ。
閑話休題、美容整形や韓国に否定的なメディアなどでは美容整形には継続的なメンテナスが必要という記事を目にする。手術後、一生涯つきまとう維持費が美容外科クリニックなどの収入源(治療を受けた韓国の美容整形クリニックの権利収入的なものとなる)となっているという内容の真偽も調べてみた。
多くの美容外科手術は一生涯メンテナスフリー
高須克弥氏の3男で高須クリニック名古屋院院長である高須幹弥氏が公式サイトで下記のように説明している。
正しく適切な美容外科手術が行われれば、二重まぶた切開や目頭切開、シリコンプロテーゼや耳介軟骨移植など鼻の手術、脂肪溶解注射、脂肪吸引、切開が必要なフェイスリフトなど多くの施術が半永久的なものでありメンテナスは不要。効果が一定期間でメンテナスが必要な治療として、ヒアルロン酸注射、ポツリヌストキシン注射によるシワ取りなどを例として挙げている。これらは身体に吸収されてしまうため追加注入が必要とのこと。
冒頭で紹介したように中国では韓流美容整形が人気を博している。これは韓国政府がK-POPや韓国人俳優などをひっくるめた官民一体で売り込んだイメージ戦略の結果と言われる。この話は別の機会で紹介したい。
整形外科≠美容外科
余談だが、正しくは整形外科とは、背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢を主な治療対象する運動器の障害を改善させる外科。たとえば、骨折、脱臼、腰椎椎間板ヘルニア、痛風などを治療する。
成形外科は、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する外科。たとえば、ほくろ、脂肪腫、巻き爪、裂挫創などを治療する。今、私たちが一般的にイメージする美容整形は、用いられる漢字から混合されやすいが、後者の成形外科から発展した美容外科となる。
成形外科と美容外科の大きな違いは、成形外科=保険適応。美容外科=保険適応外となる(参考 公益財団法人 日本整形外科学会)。