羅先が都市封鎖と米RFAが報じる
12日、米「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は、北朝鮮東北の羅先特別市が都市封鎖を実施。その理由は、新型コロナウイルス対策、または、金正恩委員長訪問に備えてかと報じた。現時点では、中国側では報じられていないようだ。
金正恩委員長の動静は、5月1日メーデーでの20日ぶりの映像以降は伝えられていない。
羅先は、吉林省琿春とロシア・ハサンと中ロに接しており、他の国境エリア同様に2月1日から国境は封鎖されており、琿春とのバス、ロシアとの国際列車ともに運行停止されており、人的な往来はできない状態が続く。
ロシアからの帰国者を通じて中国東北で再び新型コロナ感染者増加
中国で報じられているのは、ロシアでの新型コロナウイルス感染拡大により、ロシアからの帰国する中国人の新型コロナウイルス感染者が増加していること。ロシアと国境を接する黒龍江省で感染者増え、南下し、吉林省、さらに南下し、11日には感染収束により外出制限が解除され、日常生活の制限を大幅に緩和された遼寧省瀋陽でも89日ぶりとなる新型コロナウイルス感染者1人が確認された。
瀋陽は14日にはさらに2人の新規感染者が確認されたため、遼東半島の最南端で日本人も多く生活する大連でも警戒が高まっており、瀋陽からの移動者を隔離する処置が始まっていると在大連領事事務所が注意を呼びかけている。
中朝・ロ朝国境から50kmほど距離がある羅先市街地
羅先は、ロシアと吉林省の両方と接しているため国境を封鎖しても密貿易者や国境を警備をする朝鮮人民軍兵士らが感染するリスクがある。
しかし、羅先は地理的に琿春やハサンから羅先中心部が離れており、移動制限がある一般住民が感染するリスクは低いとみられる。
琿春と羅先を結ぶ中朝国境の琿春圏河口岸から羅先中心部まで約50キロメートル(自動車で45分ほど)、ハサン駅とロ朝国境の豆満江駅まで約4キロメートル、乗ったら15分くらいで到着する距離だが、豆満江駅から羅津駅まで約46キロメートルほど離れている。
丹東と新義州のように琿春、ハサンと羅先の市街地は隣り合っているわけではない。
中朝貿易停止で輸入品の米価・食品などが高騰か?
RFAは都市封鎖と報じたが、羅先は特別市とはいえ北朝鮮の一般住民は都市外への移動は大きく制限されているため欧米が定義するような都市封鎖とはまったく違うものになる。より管理を厳格にしたということだろう。
延吉在住者によると、延吉には帰国せずに滞在している羅先出身の北朝鮮人が多数いる。彼らによると中朝貿易が止まっている影響で羅先の生活物価が上昇している。特に白米や小麦などの中国からの輸入食品を中心に価格が高騰しており、市民生活を直撃しているとのこと。