重要施設の竣工式に出席した金正恩委員長
北朝鮮の各種国営メディアは、金正恩委員長が5月1日に「順川リン酸肥料工場」の竣工式に出席したと報じた。
金正恩委員長は4月12日に動静報道が途絶え、米「CNN」などを中心に「重態説」が報じられていたこともあり、この約20日ぶりの動静報道には世界中から注目が集まった。
北朝鮮メディアが公開した映像を見る限りでは、金正恩委員長の動作に特段の異常は見受けられず、重態説に対抗するかのように健在ぶりをアピールした形となった。
ちなみに、この順川リン酸肥料工場は2017年7月に着工されたもので、食糧生産を拡大するため不足する肥料を安定的に供給することが期待されている。
金正恩委員長は1月7日に今年初の現地視察として同工場を訪れているほか、2月には朴奉珠(パク・ポンジュ)党政治局常務委員、崔龍海(チェ・リョンヘ)党政治局常務委員、金才龍(キム・ジェリョン)首相が視察している。
北朝鮮が推し進める「正面突破戦」にとって最重要施設であり、金正恩委員長が竣工式に出席すること自体に意義があると言える。
存在感を示す金与正党第1副部長
竣工式には党幹部が金正恩委員長に随行したが、その中に金正恩委員長の実妹である金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長の姿があった。
北朝鮮メディアは竣工式の参加者として、1)金正恩委員長、2)朴奉珠党政治局常務委員、3)金才龍首相、4)金徳訓(キム・ドクフン)党政治局員、5)朴泰成(パク・テソン)党政治局員、6)金与正党第1副部長、7)趙甬元(チョ・ヨンウォン)党第1副部長と順に名前を挙げている。
北朝鮮メディアが報道で出席者の名前を挙げる際は序列順である。金与正党氏はこの中で6番目に名前が挙げられ、職責上でも妥当な順序となっている。
だが、ひな壇においては状況が異なった。ひな壇の席も同様に政治序列を示し、金正恩委員長に近い順から上位となるが、金与正氏が金徳訓氏や朴泰成氏よりも上座に着席し、ひな壇の上では序列4番目となった。今のところ役割の変化は確認できていないが、改めて存在感を示す形となった。
巷で噂される「金与正氏が金正恩委員長の後継者となる」という見解について議論することは時期尚早であるが、今後も金与正氏の序列や職責の変化は北朝鮮政治を知る上で大きなテーマとなるだろう。
なお、公開された映像では、玄松月(ヒョン・ソンウォル)党宣伝扇動部副部長の姿があったが、通常出席すべきはずの序列2位である崔竜海氏は確認できなかった。
위대한 정면돌파전사상이 안아올린 자력부강,자력번영의 창조물 순천린비료공장 준공식 성대히 진행경애하는 최고령도자 김정은동지께서 준공식에 참석하시여 몸소 준공테프를 끊으시였다
大まかな日本語字幕がつけられる。
八島 有佑