ラーメン残念国中国の日清カップ麺は1000円!?
世界一即席麺を食べる韓国人が愛する世界の辛ラーメン 日本だけがガラパゴス?(2/3)の続き。
中国在住者からはこのような声もある。ラーメン発祥国でありながら、残念なラーメン国の中国でも即席麺は大量に売られている。
日本企業では、日清食品が多いがまったく売られていない地域もあるなど地域差がある。日清では、「チキンラーメン」、「日清ラ王」、「日清焼そばU.F.O.」などが売られており、いずれも中国人の味覚に合わせた現地生産版となっているもののローカルの即席麺、「今麦郎」や中国シェア1位の「康師傅」(台湾企業)のカップ麺と比較すると価格は2、3倍もする。
たとえば、日清ラ王は、コンビニ価格で康師傅のカップ麺の3倍ほど高く、生麺のローカルラーメン(6、7元=約91円から106円)よりも高い。日本人はともかく、よほど思い入れがある中国人を除きわざわざ生麺のラーメンよりも高いラ王を食べようと思うだろうかという高級品となっている。ラ王は、日本の物価感覚では、バスや地下鉄の初乗り3、4回分に相当する1000円くらいだろうか。
近年、中国人の中間層が増えてきたことで高いが高品質な日清の即席麺へのニーズも生まれており店頭に並び始めている。
帰国するとなぜか食べない辛ラーメンは中国生活を思い出す味
では、辛ラーメンはというと、中国ローカル即席麺<辛ラーメン<<<日清くらいの価格順となっており、 康師傅に比べるとやや高いが、日清と比べると半額くらいで買うことができる。中国では、袋麺も売っているが、フォーク入りでそのまま食べることができるカップ麺のほうが人気があるようだ。
しかも、辛ラーメンは中国のほぼ全土の個人商店でも買うことができるほど浸透していることもあり、在住日本人も消極的選択肢で、辛ラーメンを食べる人は少なくない。
「辛ラーメンの具材にはシイタケやニンニクなども入っており、自分で買ってきたもやしやキャベツ、残ったカレーへ投入したりしてバリエーションを楽しんでいました。中国のインスタントラーメンよりは数段、美味しいので、小腹が減ったときに食べていました。中国のインスタントラーメンを食べ続けることへの健康面の不安を感じてる日本人も多かったこともあるかもしれませんね」(元瀋陽駐在日本人)
そんな中国では月に2、3回の頻度で食べていた辛ラーメンだが、日本へ帰国するとピタっと食べなくなるという話も耳にする。
ラーメン残念国で、あまり美味しい即席麺を食べることができない中国だから辛ラーメンが相対的に輝いて見えたのかもしれない。中国滞在経験者が、日本でたまに辛ラーメンを食べると中国生活を思い出すという。
日本人=ラーメンは中国発祥。韓国人はどう認識?
ラーメンは、中国(大連とか中国東北発祥説あり)生まれであることは、ほぼすべての日本人が認識している。それが日本で進化を遂げ日本のラーメンのほうが本場よりも美味しいことは中国人も含め世界中の人たちが知っているが、日本人はラーメンは日本料理とは言わないし、思っていない。
ラーメンの発祥については、『誰も知らない中国拉麺之路―日本ラーメンの源流を探る』(坂本一敏 小学館 2008年)の考察が興味深い。
現時点では、農心の韓国本社サイトなどを見る限りはラーメンは韓国生まれとは主張していないように思われるが、テコンドーのように親である空手や中国拳法を飛び越えて、“2000年歴史を有する韓半島固有の伝統格闘技”など歴史の改ざん、先達たちを無視するファンタジー史を醸し出すことなく、謙虚にさらなる世界の辛ラーメンの高みを目指してほしいものだ。
参考サイト
農心本社(日本語)