農心創業者とロッテの辛格浩(重光武雄)は実の兄弟

農心創業者とロッテの辛格浩(重光武雄)は実の兄弟

日本で販売されている辛ラーメンは韓国で生産された輸入品

 韓国を代表する即席麺といえば、そう「辛ラーメン」だ。韓国人は世界の辛ラーメンと認識している。「そんな馬鹿な?日本ではあまり見かけないし世界なんて大げさだ」と思う人もいるだろう。その理由については後半でご紹介する。

 辛ラーメンは、韓国企業の「農心」が作っている韓国トップブランドで、日本とも関連がある。なぜなら、同社創業者の辛春浩氏は、「ロッテ」創業者で2020年1月に死去した辛格浩(重光武雄)氏の実弟で、創業時は、ロッテの名前を冠した企業としてスタートしているからだ。

即席麺を世界一食べる韓国人

即席麺を世界一食べる韓国人

ソウルで見つけた辛ラーメンソックス

即席麺を世界一食べる韓国人

 「世界ラーメン協会」(本部大阪府)によると、即席麺の消費量世界一は、中国(香港含む)で、以下はインドネシア、インド、日本、ベトナムと続く。中国が402億5000万食で、2位のインドネシアの125億4000万食を大きく引き離している。これは人口が多いため国全体の数字が大きくなるのは当然であろう。

 生活者視点で参考になるのは、国民1人当たり年間何食の即席麺を食べているかで、1位は韓国74.6食、2位ベトナム53.9食、3位ネパール53.0食と韓国が頭1つ抜ける世界1の即席麺大好き国となる(2018年)。

 ちなみ日本の1人あたりの消費量は掲載されていないので割り出してみると、日本全体で57億8000万食なので、国民1人あたりだと約45.7食となる(この全体数には外国人や旅行客も含まれていると思われるので、国民1人たりの消費量はさらに減ると推測される)。

生麺が辛ラーメンに負ける韓国。食材として幅広く活用

生麺が辛ラーメンに負ける韓国。食材として幅広く活用

辛ラーメンを投入するチゲの代表はプデチゲ。プデは部隊という意味

生麺が辛ラーメンに負ける韓国。食材として幅広く活用

 韓国人男性に軍隊生活の思い出を尋ねると、辛ラーメン…という話を聞いたことがあるが、韓国ではラーメンといえば、辛ラーメンが出てくることが多く、ラーメン単体として食べることはもちろん、チゲなど鍋料理などへの追加食材やトッポギとラーメンのコラボ料理ラッポギとして調理されるような使われ方も多い。ソウルの飲食店でラーメンを注文するとそのまま辛ラーメンが出てくる店は今でも珍しくない。

 以前取材で聞いたのは、15年ほど前に中国へ進出を果たしていた日本の豚骨ラーメンを中心としたラーメンチェーン店がソウルにも出店するも1年ほどで撤退した。その理由は、韓国の消費者に生麺のラーメンがまったく受け入れられなかったとラーメン店の経営者が話していた。今ではソウルにも生麺のラーメン店(変な表現だが小麦粉から製麺して作る非インスタント麺と豚足や食材から手間と時間をかけてスープを炊きだして作るラーメン)やうどん店もあるが、麺を食べる文化がある国でこんな国は珍しいとボヤいていた。

(続く)

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