訪朝経験者が知らずに渡米しESTAで問題なく入国
訪朝経験者が知らずに渡米しESTAで問題なく入国
アメリカは、昨年8月5日から過去に訪朝歴がある人をESTA(ビザ免除プログラム)から対象外にするオペレーションを始めてから半年以上が経過した。
以前、お伝えした通りアメリカでもグアムやサイパンは元々ESTA対象外のため、ハワイを含むアメリカ本土が対象となる。もし2011年3月1日以降に訪朝したことがある人は通常の観光・商用ビザを取得するように求められている。
しかし、このオペレーション変更を知らずに昨年の秋や冬にハワイやサンフランシスコ、ニューヨークなどへ渡米した人が多くいることが分かった。後から知り肝を冷やしというと言うが、話を聞くと特に何も聞かれなかったとのことだ。
米大使館・領事館関係者もSNS情報をチェック
現在、アメリカはICチップ入りのパスポート以外の入国は許可していない。日本のパスポートのICチップには、上書きができないロムに国際標準において必須と規定されている顔画像、国籍、氏名、生年月日、旅券番号などの旅券情報が記録されている。日本は記録していないが、国よっては指紋情報も記録されているという。
というわけで、パスポートのICチップは上書きができないため、渡航履歴は残らず、さすがのアメリカのイミグレーションでも“北朝鮮へ行ってきた”ことは分からないと考えられる。
一方で取材を進めていくとこんな話も聞かれた。ある公益財団法人所属で度々の訪朝歴がある日本人研究者がアメリカのビザを申請し面接を受けるもその場で許可されず、取得に時間がかかったとのことだ(最終的には許可され渡米している)。
どうやらアメリカ大使館、領事館の査証担当者もSNSや北朝鮮関係のメディアをチェックしており、“北朝鮮寄りの日本人”としてマークを受けていたためと見られる。
研究者などではなく一般人でも「ツイッター」や「フェイスブック」などの投稿をチェックされる可能性が高く、渡米予定がある人は投稿内容に注意をしたほうがいいかもしれない。
入国しないトランジットも含めてパスポートから分かるのか?
また、ある日本人旅行者が、帰路フランス経由で成田国際空港から入国したときのことだ。フランスはトランジットのため入国せずパリのシャルル・ド・ゴール空港内で過ごして帰国したそうだが、成田空港の税関担当者は、パリを経由したことを把握していたそうだ。
「どうして分かったのか?」と尋ねると端末に表示されているからと説明を受けたそうだ。
また同じ人が後日、羽田空港へ戻ったときに自分の帰国経路が分かるのかと税関職員へ尋ねると、「分からない」と回答されたそうだ。
パスポート上から渡航経路が分かるのか(日本の税関で提示するのはパスポートのみ)、それとも別方法で把握できるようになっているのか。ご存じの方がいたらぜひ情報をお寄せいただきたい。