北朝鮮の新型コロナウィルス対応をマレーシア中国語新聞が報じる

北朝鮮の新型コロナウィルス対応をマレーシア中国語新聞が報じる

北朝鮮の新型コロナウィルス対策について伝える『中国報

北朝鮮の新型コロナウィルス対応をマレーシア中国語新聞が報じる

 マレーシアの中国語新聞『中国報』電子版は2日、「【武漢肺炎】鉄壁伝染病防御で北朝鮮は患者0!」と担当者の発言とともに伝えた。

 記事では、北朝鮮保健当局の宋英成氏が「朝鮮中央テレビ」にて、中国武漢から発生して世界的に蔓延しつつある新型コロナウィルスによる肺炎患者は、これまでのところ北朝鮮では1人も確認されていないとの話を紹介している。

 昨年12月、武漢で発生した新型コロナウィルスの感染は、年明けの旧正月前に感染速度を急激に上げた。北朝鮮は、兄弟国とされる中国での感染拡大と中国から越境して北朝鮮へのウィルス流入を憂慮し、先月22日に中国との国境封鎖処置に踏み切り、直前に入国した外国人の隔離処置も実施した。22日以降は、外国人観光客は入国させていない。

 この迅速な対応が功を奏し、北朝鮮国境の目前まで迫っていた新型コロナウィルスの流入を防ぎ、武漢肺炎の発症例が出ていないと主張している。

金正男殺害に利用されたマレーシアで肯定的な評価

金正男殺害に利用されたマレーシアで肯定的な評価

マレーシアの首都クアラルンプール

 宋英成氏は、「現時点で我が国は、武漢肺炎の感染者を出していない。感染を食い止めることに成功しているが、私たちは決して安心してはいけない。人民は絶えず警戒を怠らず、感染防止のために引き続き一致団結して協力してほしい」と訴える。

 この記事に対して、「フェイスブック」のいいねが1439件つき、顔マークの評価ボタンを見ると、嬉しい81、驚き19、怒り4、悲しい4、退屈11となっており、中国系マレーシア人たちは、おおむね肯定的な評価をしているようだ。

 マレーシアは、2017年2月13日に金正恩党委員長の異母兄の金正男氏殺害に国家の顔である首都空港が利用されている。この事件を巡って両国は関係を悪化させたことは記憶に新しい。

 日本でも朝から晩まで首都クアラルンプールから中継され、北朝鮮大使館やマレーシア唯一だった北朝鮮レストラン前からも連日中継されていた。

中国人が年間350万人が訪れるマレーシア

中国人が年間350万人が訪れるマレーシア

北朝鮮の担当者の説明と順安空港の消毒作業を伝える『中国報

中国人が年間350万人が訪れるマレーシア

 この事件で実行犯となったインドネシア人とベトナム人の女性2人はすでに釈放されて帰国している。

 金正男氏殺害事件でマレーシア人の北朝鮮に対する心象は大幅悪化したと言われていたが、殺害事件から今月で3年、今回の北朝鮮の徹底した新型コロナウィルス対策は、マレーシア人にどのように映っているのだろうか。

 マレーシアは、2015年から中国人向けビザを最長15日間免除を期間限定で実施しており、その後は、実施延長を繰り返している。2018年マレーシアを訪れた中国人は約290万人、19年は350万人に迫ると見られる。

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