金正恩委員長が習近平国家主席へ書簡
金正恩委員長が習近平国家主席へ書簡
アメリカの中国語メディア「多維新聞」は、2月1日、北朝鮮の金正恩委員長が中国の習近平国家主席へ書簡を送り新型コロナウィルスの感染拡大について哀悼の意を伝えたことを報じた。
金正恩委員長は、習近平国家主席へ北朝鮮から必要であれば支援や協力する用意があることと感染した患者、不幸にして犠牲となった人の家族、そして、現在、解決へ向けて尽力する中国共産党関係者への心からの哀悼と敬意を伝えた。
金委員長は、送った書簡の中で、「私たち朝鮮労働党と朝鮮人民は、中国の感染症発生に自分たちに起こったことにように深く憂慮しており、血と肉で結ばれた血盟の家族として我々朝鮮は中国の家族たちへ協力を惜しまないことを中国へお伝え申し上げます。尊敬する習近平書記長は、どうぞお体を大切にされてください。中国人民の平和と幸福を願います」との内容を送ったという。
中朝を結ぶ国際列車・空路すべて停止
北朝鮮は、1月30日に北京発丹東経由、平壌行きの国際列車K27、K28の運行を停止し、31日平壌発の丹東行きの国際列車95、85をもって中国行きの国際列車運行も停止した。また、中国人優先のため日本人の通過が難しい2級イミグレーションである吉林省集安と北朝鮮満浦を結ぶ国際列車7263と8271も31日から運行を停止している。
国際列車に加えて北京と平壌を冬季は、火、木、土曜日の週3便で結んでいた定期便の高麗航空も1月31日に運休が決まり、翌2月1日から飛んでいない。また同じく定期便として水、土曜日の週2便で運行されていた瀋陽-平壌便、チャーター便として日、木曜日の週2便で運行されていた上海便も運行を停止した。
旅客機や国際列車以外の移動手段として、自動車で中朝を陸路で往来できる丹東や通化(吉林省)、図們(吉林省)などでも入国時の検査を厳しくしており、外国人の場合は最長30日間隔離処置を取っていると多維新聞は伝えており、北朝鮮が新型コロナウィルス流入を非常に警戒した徹底対応を実施していることが分かる
エボラ出血熱より長い1か月隔離に貿易商困惑
北朝鮮が入国停止したのは外国人観光客なので、ビジネスビザを持つ中国人などは往来できるが、入国後に隔離される恐れが高いため渡航を控える動きが広がっている。
「2014年のエボラ出血熱のときにも入国した新義州の施設で1週間隔離された話を聞いていますが、今回はさらに潜伏期間が長いとのことで1か月間もの隔離になるそうです。その間、仕事が完全停止するので行くメリットはまったくないと仲間内で話しています」(中国朝鮮族貿易商)