朝鮮学校関係者が度々没収される北朝鮮産品
関西国際空港税関は、この年末年始を平壌で過ごして帰国した日本人たちの北朝鮮土産を没収した。
この問題が話題となるのは、朝鮮学校での修学旅行(祖国訪問)から戻ってきたときの没収騒動だ。毎年のようにニュースになっているので、目にしたことがある人もいるだろう。
近年、話題となったのは、2018年6月28日、「神戸朝鮮高級学校」の生徒62人の土産品が関西空港で没収されも後に大半を生徒側へ返却したことが9月17日明らかになっている。返却は異例の対応となり、日朝関係を考慮したと報じられた。
2019年8月上旬に朝鮮中級学校関係者らの訪朝団が帰国時の羽田空港で親戚から受け取ったとされる土産品が没収されている。その際に、経済産業省からの指示で1人10品までと言われたと報じられている。これまで在日朝鮮人などの北朝鮮訪問で親戚などから受け取った民生品は、人道目的として認められてきたが変わったようだ。
関空の大阪税関は日本一厳しい。カルロス・ゴーン逃走のとばっちり?
日本は、2006年から北朝鮮に対する独自制裁で北朝鮮製品の日本への持ち込みを原則禁止している。しかし、明らかにそれはときの政権や政治情勢によってに左右されていることが分かる。
対象となるのは、入国者全員のため、在日朝鮮人だろうと、シンガポール人だろうと、日本人だろうと、税関で北朝鮮製品が見つかると没収対象となる。それでもこれまでは、開封済みで私物と判断されたものや新聞や切手など紙媒体は(各1点ずつに限り)除くとされてきたが、今月上旬の関西空港では、紙媒体も含めてすべて没収されたとのことなので政治情勢が影響したのだろうか。
「元々関西空港を管轄する大阪税関は、日本の主要国際空港でもっとも厳しいことで知られています。在日朝鮮、韓国人が多いことが一因とも言われますが、船便が入る大阪港も厳しいことは貿易関係者では共通認識です。この1月の関空での北朝鮮グッズ没収は、昨年末のカルロス・ゴーンを検査せず簡単に出国させた大失態をやらかし日本中から批判を浴びているので、名誉回復とばかりに躍起になって何でもかんでも取り締まっているのではないでしょうか?」(国際ハンドキャリーサービス業者代表)
販売目的ではない北朝鮮グッズは社会へどれほど悪影響なのか
販売目的ではない北朝鮮グッズは社会へどれほど悪影響なのか
仮にこれが事実としたら、ひどい話だ。そもそも、日本は、入国検査が出国検査に対して厳しいと一部マスコミで指摘されているが、これは何も日本に限った話ではない、入国検査が異常に厳しいアメリカは、出国時はパスポートを一瞥するのみで1、2分で通れる。出国スタンプすらない。ただし、旅客機の安全運行のため保安検査は厳重で、入出国審査と税関検査は別だだからだ。
入国時の税関検査は、違法薬物の持ち込みを水際で防いだり、動植物や偽造品持ち込みを防ぐためにも大いに実施してほしいところだが、個人が販売目的ではないと判断される一般的な土産物の持ち込みを厳重に取り締まることが日本の社会利益にどれほど意味があり、誰が喜ぶのだろうか。
参考サイト
政府、没収の北朝鮮土産を返還 神戸朝鮮学校生徒に