ヘマジ館の看板撤去が始まる
昨年11月29日にバンコクの人気北朝鮮レストラン(以下、一部北レス)「ヘマジ館」へ摘発が入り物抜けの殻で放置されていた建物に変化が見られる。
当初、ヘマジ館の建物所有者から12月10日に営業を再開するとの情報を隣の日本料理店と共同管理する駐車場警備員が話していたが、営業再開することなく2020年を迎えた。
年が明けた今月8日ごろから看板の撤去が始まっているのをバンコク在住者が確認している。スクンビット26という路地に面した大きなアニメ調のポップな長方形の看板や敷地内にヘマジ館と日本料理店の2店があることを示す看板からも同店のみが消された。さらに、店の看板娘的な存在だった北朝鮮人美女の写真も削除された。
拘束された北朝鮮人スタッフは店に戻ることなく撤収作業済み
現状から北朝鮮レストランとしての再開は絶望的と言っていいだろう。ヘマジ館があった場所は、バンコクの幹線路であるスクンビット通りから奥へ1.5キロメートルくらいと奥まっているものの閑静な住宅街として日本人など外国人の駐在員家族が多く居住するエリアのためすぐに新しい借り主が決まってまったく別の業態の飲食店となる可能性は高い。
また、バンコク在住者が、隣の日本料理店関係者へ聞いた話では、ヘマジ摘発後、女性スタッフたちは一度も店へ戻った話もなく、北朝鮮大使館関係者なのか定かではないが、店内に残されたものの撤収作業が1、2回あったようだ。
レシピは変わらないはずが味が落ちたバンコク最後の玉流レストランの冷麺
ヘマジ館の完全閉鎖で、バンコクに残る北朝鮮レストランは、アソーク(BTSアソーク駅、MRTスクンビット駅)から徒歩3分ほどで行ける「玉流レストラン」のみとなる。
しかし、玉流レストランは、以前にもお伝えした通り、昨年春には、料理人をら含めて北朝鮮人スタッフが全員撤退し、朝鮮語で接客するタイ人スタッフがいる謎の北朝鮮風レストランとなり、北レスファンを落胆させている(タイ人スタッフ曰く北朝鮮人責任者が1人残っている。2019年6月時点)。
特に玉流レストランは、店名からも分かるようにバンコクの最盛期3店でもっとも平壌冷麺が美味しい店として冷麺好きにも知られていたが、数年前から同店で食べ続けている冷麺好きは、昨年12月に訪れて味が大幅に落ちて残念と話す。
店内にあったステーショー用のスペースにも4人用テーブルが3卓ほど新たに配置されて、昨年、春以降は、ステージショーも行われていないので、現状では、ただの中級韓国料理店の価格帯の高めなレストランとなっている。
一番安い平壌冷麺(麺100グラム)が240バーツ(約870円)、麺300グラムだと370バーツ(約1340円)するので、家族向けの大衆店とはいえ、回転寿司スタイルのタイスキ「Shabushi(シャブシ)」食べ放題400バーツ(約1450円)ほどと比べると高級なことが分かると思う。