北レス世界最高密度だったウラジオストク
ヨーロッパにも存在した北朝鮮レストラン世界編 生き残るのはどこの北レスか?(1/2)の続き。
ロシアの首都モスクワは、2017年時点で2店が確認されている。ともに閉店しているとの報道があるが、1店「平壌高麗レストラン」のホームページは残っており、外国メディアに対して存続を名言している(補足 12月21日までアクセスできていたが、23日現在、アクセスができない状態に)。
さらに北朝鮮レストランファンが近年、北レスの聖地と呼んでいたのが、極東のウラジオストクだ。2017年、6店の営業が確認されていた。ウラジオストクは、人口約60万人で6店の北レスと世界最高密度の北レス密集地だったのだ。
2019年10月段階で、3店舗の生き残りを確認しており、12月6日付けのこれまた聯合ニュースだが営業を続けている(北朝鮮労働者の送還期限迫る ロシアの対応は=閉店のレストランも)と伝えている。
北朝鮮総領事館を置くウラジオストクと平壌は、火、金曜日の週2便の高麗航空の定期便が運行されているが、現在は、増便させてロシアへ派遣していた北朝鮮人労働者(ロシア全土で2019年1月初め1万1000人=ロシア報道)を帰還させているとの報道もある。
北朝鮮人向け労働ビザは規制した中国。でも他のビザで滞在している?
北朝鮮人向け労働ビザは規制した中国。でも他のビザで滞在している?
さてその一方、世界一の北朝鮮レストラン大国の中国はというと、現時点でも、各地の北レスが閉店ラッシュへ入ったとの報告はない。
しかし、2018年1月9日の最初のデッドライン当日に一挙に閉店した経緯があるので、期限直後の年内に突然閉店する可能性もありそうだ。
同時に丹東など、北朝鮮と国境を接する重要都市では、制裁対策とも取れる動きを見ることができる。今回、履行期限を迎えた「国際連合安全保障理事会決議第2397号」で、帰還させる対象は、北朝鮮人海外派遣労働者となる、中国における労働ビザ(Z)所有者で、留学ビザ(X)や観光ビザ(L)、出張ビザ(M)などは、他にも高度技能人材向けに発行するビザ(R)や、音楽家やアーティスト向けのビザ(A)などもあるのでそれらで回避させることも考えられる。
北朝鮮人労働者を重宝するロシアと中国
さらにもっと国外には分かりづらい方法として、丹東や図們など国境エリア限定での移動を認める「渡江証」を使った往来手段がある。
渡江証は、中国では、中朝辺境地区出入境通行証。北朝鮮では、朝鮮民主主義人民共和国住民国境通行証と呼ばれ、有効期限は観光ビザと同じく30日間となる。
現実的には、費用対効果を考慮すると観光ビザになるのではないかと思われ、現在、丹東の飲食店やホテルのバー、カフェなどで在職する北朝鮮人女性たちはすでに観光ビザで入出国を繰り返しているとみられる。労働ではなく、ボランティアや奉仕活動、インターンシップのような名目で滞在している可能性が高い。
2020年、北朝鮮レストランが生き残るのは、北朝鮮人材を依然として必要とする中国とロシアになるのか。