北朝鮮カレンダーを買い求めるのは中国人ではない?

北朝鮮カレンダーを買い求めるのは中国人ではない?

高麗航空カレンダー2020年(主体109)の表紙

北朝鮮カレンダーを買い求めるのは中国人ではない?

北朝鮮美女いっぱいの2020年カレンダー どのくらいの外貨をカレンダーで稼げるのか?(1/2)の続き。

 「高麗航空」を始め北朝鮮のカレンダーに希少価値を感じて買い求めるのは、日本人と一部の欧米人、東南アジア人くらいなのではないだろうか。このカレンダーは韓国では所持が厳しく規制されているので、ほぼ存在しておらず、相当珍しがられる。

 中国の輸入業者によると、高麗航空カレンダーは、中国人でも旅行業や航空会社関係者、航空機好きなど一部の人たちには人気があるらしく、カレンダーとしてではなく写真集的な位置づけで購入するという。

 もっとも日本でこの高麗航空カレンダーを購入する人たちはカレンダーとして使用するのだろうが、月が変わっても破らずにめくって大切に飾っているようだ。

高麗航空カレンダーの売上部数は推計5000部

 『週刊アサヒ芸能』(2019年12月19日号)には、外貨荒稼ぎタイトルにあるが、このカレンダーはどのくらいの売れているのだろうか。

 記事が伝えるカレンダー購入者のメイン顧客が中国人という趣旨は、おそらく正しくないことは説明した通りだが、日本へ個人輸入されて販売されているものは、多くても1000部もないと見られ、人口が13倍強の中国でも同じくらい売れると推定。他に購入するのは、訪朝者が多いシンガポールやマレーシアを含む東南アジア人とヨーロッパ人くらいだろうか。

 ちなみに上記記事には、誤植と思われる箇所があり、中国人訪朝者急増で昨年、高麗航空を利用客した中国人は120万人という下りがあるが、0が1つ多いと思われる。

 当然、訪朝者が土産として買っていく分もあるだろうが、オフシーズンの冬で、しかも3か月間ほどの販売期間であることを考えると、合計売上5000部と推計しても多すぎると思われる。

原価60円以下で推定売上3200万円?そんなに稼げないか

原価60円以下で推定売上3200万円?そんなに稼げないか

2020年1月25日は旧正月として赤字になっている高麗航空カレンダー主体109

 カレンダーの原価は、1部0.5ユーロ(約61円)以下と推測され、北朝鮮国内で8ユーロ(約975円)くらいで売れば、利幅は大きいが、輸出品として中国へ運び、輸入業者が日本やアメリカ、ヨーロッパへ販売するためにさらに輸送して、各国の個人客が直接受け取ったり、販売代行会社を通してエンドユーザーへ届けられる。

 特殊な商品のため複数の会社や人を通して運ばれるわけで、元々の北朝鮮が得る利益は、1部で2、3ユーロくらい(約234円~366円)となる。エンドユーザー購入価格には、それぞれ携わる会社の利益が上乗せされるのでこれらは北朝鮮へ外貨としては入らない

 と、カレンダーから北朝鮮が得られる外貨を推測してみたが、半分を国外へ販売したとして最大の3ユーロ☓2500部=7500ユーロ(約915万円)。残り半分を北朝鮮国内で販売したとして7.5ユーロ☓2500部=約2290万円。合計、約3200万円ほどとなるか。

 以上の推計から北朝鮮カレンダービジネスは、外貨荒稼ぎってほどの金額と言えるかは微妙なところかもしれない。

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA