韓国主要メディアに並ぶ日王の文字
韓国主要メディアに並ぶ日王の文字
新しい天皇が国内外へ即位を宣明する即位礼正殿の儀が行われた22日の夕方の韓国の主要メディアの電子版には“徳仁日王”が大見出しを飾っていた。
左派系の『ハンギョレ新聞』、中道保守とされる『中央日報』、韓国メディアでもっとも保守色が強い『朝鮮日報』の3紙いずれも 徳仁日王と表記されている。
韓国の公共放送である「KBS」サイトのニュースでは、天皇(천황)が“”付きで数か所使われ本文では日王が併用されていた。
公式日本語版は日王ではなく天皇
公式日本語版は日王ではなく天皇
各メディア日本語版もあり比較すると、日王表記はなく、いずれも徳仁天皇、まはた天皇となっている。これでは、ダブルスタンダードという言葉が頭をよぎる。
また、原文をグーグル翻訳にかけてみると、これまたいずれも日王(일왕)は、天皇と翻訳される。これも意訳され過ぎではないだろううか。韓国メディアが日王と書き続けるのは自由だろうが、それであれば、日本語版も正しく日王と表記するべきなのではないだろうか。
日本人は韓国の主要メディアがこのような現状であることを知った上で、今後の日韓関係などを考えたいところだ。
日王が登場したのは90年代初頭から
日王が登場したのは90年代初頭から
以前、KWTでも紹介したが、韓国が天皇を日王と表記し呼ぶようになったのは、90年代前半からと比較的最近だ。80年までの新聞などを見ると天皇とハングルや漢字で書かれているものが確認できる。
なぜ90年代初めなのかは不明であるが、韓国民主化と歴史的にシンクロしている点が興味深い。
登場してから日王約30年・旭日旗約8年の歴史
また、現在、韓国は、オリンピックへ旭日旗の持ち込みを禁止するように「IOC(国際オリンピック委員会)」へ要請する(東京五輪、旭日旗の持ち込み禁止せず 組織委が方針)など、旭日旗を政治問題にする動きを強めている。この旭日旗が問題だと主張し始めた歴史も浅いという事実も知っていく必要がある。
韓国が旭日旗を問題にしたきっかけは、2011年11月のサッカー日韓戦とされ、旭日旗を戦犯旗と言い出すのは翌2012年。韓国国会へ旭日旗禁止法案を提出したのが2013年。以降は政治問題化されて現在にいたる。
つまり、2011年以前は、まったく話題にもなっていなかったのだ。韓国が旭日旗を問題にしだしてまだ8年にも満たないことが分かる。
韓国で異例のベストセラーとなっている『反日種族主義 日韓危機の根源』の著者の1人、李栄薫(イ・ヨンフン)氏は、日本メディアへのインタビューで、
「韓国人は熱しやすく冷めやすい。事実ではない、間違っていると分かればすぐに変わる民族性がある」と語っていた。
日韓が相互信頼できる隣国として、真の対等なパートナーとなる日が1日でも早く訪れることを期待したい。
日本語版が11月に発売される。