なんといっても人気の秘密はタイ人メンバーの存在

なんといっても人気の秘密はタイ人メンバーの存在

ベトナム航空機内誌の広告にあった「BLACKPINK」。中央上の女性がタイ人メンバーのリサ

 韓国の歌謡曲ジャンルの1つである韓国ポップスソング「K-POP」の人気は、日本だけでなく東南アジア全域でも同じようなものだが、特にタイにおいてはガールズグループで日本でも知名度が高い「BLACKPINK(ブラックピンク)」がダントツだ。メンバーの「リサ」はタイ人であることから注目され、またタイ国内での広告関連の露出が多いため、注目度がほかのK-POP歌手と比較して格段に違う。

 日本ではやはり日本人メンバーがいることから「TWICE(トゥワイス)」の人気も高く、タイでもこのグループの知名度は高い。しかし、やはり自国民のメンバーがいることでBLACKPINKは、注目度が数ある韓国がーずるグループの中でまったく違う次元だ。

女優を越える容姿だけではなくサクセスストーリーにタイの女子高生は魅せられる

 タイの携帯電話キャリアなどの広告などを始め、特にタイ人メンバーであるリサを目にする機会がタイ国内では多い。街頭広告、駅構内や電車車内のテレビ広告、さらにSNSの動画広告で1日に何度も目にする。

しかも、このリサは2018年度の「世界で美しい女性ランキング」で9位と、同年度のランキングで上位にランクインしていたタイの人気トップ女優よりも順位が上だった。容姿は韓国やタイだけでなく、世界的にも注目される水準なのだ。

楽曲やダンスパフォーマンスのレベルの高さなどもBLACKPINKの人気の理由で、「他のガールズグループとは違う」とタイの女子中高生らは称賛する。リサは、BLACKPINKを抱える芸能事務所がタイ国内で開催したオーディションにおける唯一の合格者だ。タイ東北部のブリーラム県出身と言われ、そういったサクセスストーリーも彼女が女子高生から支持される要因でもある。


BLACKPINK – LISA ‘뚜두뚜두 (DDU-DU DDU-DU)’ FOCUSED CAMERA

タイ版K-POPアルバムはオリジナル要素たっぷりでファン注目

タイ版K-POPアルバムはオリジナル要素たっぷりでファン注目

バンコクにあったCDショップ。近年はCD販売店も激減している

タイ版K-POPアルバムはオリジナル要素たっぷりでファン注目

 タイ国内のK-POP人気は女子高生に支えられていると言っても過言ではない。そのため、人気歌手、あるいはグループを問うと先のBLACKPINKが筆頭で、次に名前が挙がってくるのが「BTS」となる。日本では「防弾少年団」でも知られる男性アイドルグループだ。タイの女子中高生によれば、「とにかくかっこいい」のだという。

 日本同様に、タイでのK-POP人気はデビュー初期の「少女時代」や「ワンダーガールズ」でピークを迎えたようにも見えたが、2018年前後から再び人気が盛り返している。日本人のK-POPファンによれば、「タイ国内で発売されているTWICEのアルバムは日本のものとは曲目が違う」そうで、たとえばCDは、日本版CDの収録曲は日本独自のラインナップになっていて、タイ版は韓国版にかなり近かったり、タイ向けの曲順だったりと、コアなファンなら分かる違いがあるようだ。日本人K-POPファンの中にはタイに旅行に行った際にはCDショップなどに立ち寄って、K-POPのアルバムやグッズをチェックする人もいるのだとか。

 タイとK-POPの関係は、日本人K-POPファンもぜひ注目してもらいたいところのようだ。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在に至るまでバンコクで過ごしている。
バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(共書)、『バンコクアソビ』、『ベトナム裏の歩き方』近著『亜細亜熱帯怪談』(監修)丸山ゴンザレス
@NatureNENEAM

高田氏や監修者の丸山ゴンザレス氏や4人で繰り広げられるトークイベント開催が決定。アジア最凶怪談トークバトル! 高田胤臣×丸山ゴンザレス×高野秀行×室橋裕和!

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