丹東の北朝鮮レストランは健在
9月9日は、北朝鮮の建国記念日。昨年は建国70年ということでマスゲームが復活するなど大いに盛り上がったことは日本のメディアでも報じられた。
建国71年を迎えた2019年9月9日、中朝国境の丹東情報をお伝えする。ちなみに中国は今年10月1日で建国70周年と北朝鮮より1年遅く建国されている。
2018年1月上旬に大量閉店した北朝鮮レストラン(北レス)。丹東には最盛期には10店舗を超える北レスの営業が確認できたが、現在、営業を確認できるのは、「柳京酒店」、「丹東高麗飯店」、「松涛園飯店」、「高麗香」、「鳳仙花」、「7號碼頭海鮮酒店」、「綾羅島」などだ(全店に北朝鮮人スタッフが在籍しているかは不明)。
北朝鮮カフェとしてFC展開も?
また新しい業態として、「高麗館」というカフェが登場しており、同じ店名の別店舗も確認できるのでフランチャイズ展開しているのかもしれない。店内には、朝鮮人参や高麗人参茶など北朝鮮特産物ブースも設けられている。
2017年11月に閉館した世界最大の北レス「丹東高麗館」は閉店したままで、老舗の「三千里」跡も廃墟化が進んでいた。
他にも閉店した小規模店はあるが、さすが国境の街だけあり中国の他の街と比べても北レス生き残り率は高くまだまだ北レスを楽しむことができる。
ハイリターンを求めて中国人が投資する新義州カジノタウン計画
断橋付近から川幅1キロメートルほどある鴨緑江の向こう側の新義州を眺めると、これまで5階を超える建築物は数えるほどだったのが、目に見えて高い建物が増えている。
丹東の中国人コンサルタントによると、これらの建物の多くは、中国人による投資で建てられているとのことだった。
投資はいいけど、収益は見込めるのかと確認すると、
「多くがカジノ関連施設です。収益見通しは明るくハイリターンが見込めると投資は集まっていますよ」(丹東のコンサルタント)
北朝鮮のカジノといえば、首都平壌のミニカジノを除けば、羅先が代表格となるだろうが、複数施設を建築しているとのことであれば、羅先よりはるかに大規模なものになるのかもしれない。
もしかすると新義州は、数年後には、ラスベカスやマカオのようなカジノタウンに変貌するのかもしれない。
確かに丹東は、瀋陽や大連といった人口700万人を超える大都市からのアクセスもよく、これなら中国人が殺到してしまう魅力は十分にありそうだ。しかも、中国人は新義州へ行くのにパスポートどころかビザも不要なので、国内移動の延長のように気軽に行くことができてしまうから、ちょっと隣町へくらいの感覚だろう。
(続く)