第19第文在寅大統領で日韓関係は過去最悪の状態に
第19第文在寅大統領で日韓関係は過去最悪の状態に
1965年に日韓基本条約が結ばれてから、韓国側は友好と反日を歴代政権で繰り返している。盧武鉉政権や李明博政権は当初、日本との友好を掲げ、支持率が低下すると反日に方針転換した。痛烈に日本を批判していた朴槿恵政権も、日本への歩み寄りを見せた時期がある。
しかし、文在寅政権は、2015年に結ばれた元慰安婦に対する日韓合意を破棄し、徴用工訴訟問題では司法の判断に任せると発言している。こういった行動は、日本政府には受け入れがたいものであるため、日本は対抗措置を次々と発表する事態となっている。
日本と韓国の関係悪化は深刻で、過去最悪の状況ともいわれるほどだ。そのため、歴史的な問題だけでなく、輸出管理の見直しなどの経済的な問題など発展している。
影響は多岐に波及
日韓関係悪化は両国民、両国企業に影響を与えている。韓国では、日本製品の不買運動が広まり、食品や自動車だけではなく、日本産の原料を使用している韓国企業の製品まで不買運動の対象だ。
日本への旅行などの中止も呼び掛けており、実際に韓国の大手航空会社「大韓航空」は日本行きの路線を縮小している。
さらに、韓国政府は、両国の「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の更新をしないことを発表し、今年11月で破棄されることが決定している。これにより日韓の安全保障上の連携に影響が出るのは避けられない。
それに対して、日本政府は、半導体製造などに欠かせない工業製品3品目について、韓国向け輸出管理を厳格化している。この管理見直しによって、韓国のスマートフォン産業は影響を受けることになる。また、貿易管理における優遇措置が受けられるホワイト国のリストから韓国を除外することを閣議決定した。
この追加措置により、先端素材や工作機械などの幅広い品目で韓国向け輸出の手続きが厳しくなるため、日韓双方の企業に影響が出るだろう。
行政交流だけでなく民間交流も中止に
日韓関係悪化の影響は、日本と韓国の自治体間で交流を行う行政交流にも影響が出始めている。韓国南部にある釜山市は日本との行政交流を一時的に中止し、公務の訪日も制限すると発表した。期限については、日本と韓国が関係を改善するまでとしているものの、両国間の溝は深く、関係改善の目途はたっていない。
こうした行政交流のみならず、修学旅行、姉妹都市交流などの民間交流が中止されるなど影響が広がっている。日韓関係の修復に関しては長期化が予想されているため、問題がすぐに解決されることはないだろう。しかし、こうした関係悪化は、日韓両国の国民や企業にとっては悪影響しか及ぼさないため、一刻も早く問題が解決することを祈るばかりだ。
千歳 悠
4年ほど活動しているフリーライター。金融、IT、国際情勢など日々情報を追いかけている。趣味は読書と動画視聴。