中国のネットショップで1本300円もせずに買える

中国のネットショップで1本300円もせずに買える

大同江ビール(中国輸入版)

 福岡在住の中国人の男(19歳)が北朝鮮の大同江ビールを日本のフリマサイトで販売したとして7月11日に書類送検された(朝鮮ビール不正輸入容疑で少年書類送検 高値で転売)。

 販売していたのは、北朝鮮本国で売られている大同江ビールではなく、中国へ輸出されている大同江ビールだった。

 現在、中国では「丹東中威工貿有限公司」という会社が総輸入代理店となり大同江ビールを輸入しており、中国のオンラインショップ最大手の「淘宝網」などで1本15から20元(約235~315円)くらいで販売されている。平壌などの売店で購入できる外国人価格で8元(約125円)くらいで買うことができる。

 この数年で淘宝網での販売店が増え大同江ビールの価格は下落傾向にある

中国へ輸出される多くが2号ビール。ローカルビールの4倍強の価格

 2013年ごろ中国に登場した当初は、北朝鮮レストランで提供され始め、店舗販売は、中朝国境の丹東や直行便がある瀋陽くらいだったのが、2017年ごろからオンライン販売されることで中国全土で買うことができるようになっている。

 大同江ビールの種類は原材料の配合の違いにより7種類ほどあり、その中でも、「良質なビールを人民へ届けたい」と熱い思いを込めて生産開始の号令を出した故金正日総書記が激賞したとされる2号ビールが代表格とされる。

 その影響なのか、中国へ輸出され始めた大同江ビールは、丸で囲まれた数字2をつけた2号ビールのみだったが、現在は、無印の1号ビールの販売も25から30元(約395~475円)くらいで売られており、330ミリリットルの2号缶ビールも1本あたり13元から15元(約205円~235円)くらいで売られている(中国の1号ビールは偽物との説もある)。

 と細かな数字を多く上げてしまったが、中国のローカル缶ビールと比べても4倍強はする高級ビールとはいえ、ちょうど今の日本のビール価格と同価格で売られている。

ヤフオクで目立っていた

ヤフオクで目立っていた

書類送検された男がヤフオクで出品していたと思われる商品説明画像

ヤフオクで目立っていた

 報道によると、書類送検された中国人の男は、1本300円ほどで購入できる大同江ビールを1万5900円で販売していたという。

 ここから先は報道されていない独自情報となるが、実はこの人物のことは、北朝鮮グッズコレクターや転売屋の間では有名だった。なぜなら、北朝鮮グッズを扱う人はこっそりと売買するのが鉄則らしいが、彼は非常に目立っていたからだ。

 男が販売していたのは、「ヤフオク!」で、大同江ビール以外にも上海で購入したと見られる「シャオミー(小米)」限定「初音ミク」スマートフォンや映画「アイアンマン」のマスクなども、模造品と正規品の区別がかなり怪しいギリギリ際どい商品を多数出品していた(おそらく商標違反品の偽物)。

(続く)

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